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東京

すれ違う大人がみんな僕を見ている気がした。


いま考えると自分でもすごいと思う。

たしか特急あさまが新幹線に切り替わってすぐだったから新幹線という乗り物が本当に怖かった。


普段使っている布団よりも数段柔らかい座席に驚き、もの凄い速さで流れていく窓の外に驚き、時より通りすぎる車内販売に怯えてトイレに行ったりずっと寝たフリをしていたのをすごく覚えている。


「アキシマ」


この音の響だけを頼りに父の家を目指した。


でもやっぱり無理だった。


立川までうまく行けたが違ったらどうしようとか、怒られるとかの感情が急に湧いて結局駅員さんに泣きついた。


祖母に連絡がいき、祖母から父へ。

立川まで父が迎えにくることになった。


しばらくして父が迎えに来た。

長野からの清算をしながらペコペコ謝っていた。

僕はその様子を後ろで見ながらそれが可笑しくて必死で笑いを堪えていた。

緊張緊張で来ていたから多分フッと楽になったのと単純に謝ってる様が間抜けだった。

同時にごめんなさいって言うべきかパパに会いたかったって言ったら喜ぶか頭ん中でずっと考えていた。

結局、タイミングを逃して駅から父の家までずっと無言だった。

長野に帰りたくなるほど空気が重かった。

無言の時間が続けば続くほど空気が張り詰めて余計に喋れなかった。

そのうち話しかけてくるだろうと途中で諦めた。

そうして見覚えのある父の家に着いた。


父がドアの前でインターホンを鳴らした。


家の中から知らない女が出てきた。


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