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お世継ぎ
やがてエリは男児を出産した。美奈子はんやくにさんはもちろん一族は大喜びしたのだった。なぜなら由緒正しい名門の旧宮家のお世継ぎだからである。ナガには既にサクラとサチという娘がいたがやはり息子は別である。
それを聞いたくにさんの父親の後妻に激震が走る。なぜなら先々帝の血を引くエリが産んだ男児のほうが自分の息子よりはるかにお世継ぎに相応しいからである。一方その息子は30過ぎてもまだ独身だった。理由はもちろんくにさんの父親の後妻のような性悪女の息子に娘を嫁がせたくないからで、誰も娘を虐め殺されるようなことはしたくないのである。実際くにさんの父親の後妻の弟嫁は相次いで早死している。そしてくにさんの父親の後妻の妹には40過ぎても独身の人がいたのだった。
その頃その後妻の長女(くにさん父親の三女)は有名企業の社長と出来ちゃった婚をしたのだがこれに後妻は不満だった。なぜならその社長は高校すら出ていない上戸籍の父親の欄が空白だったからである。それを言うとあんたの孫、裁判起こされて父親の欄に×がついてるじゃんと冷たく言われたのだった。
この頃には長女を初めとする後妻の子供たちの大半は後妻から離れていたのだった。




