第25話「エピローグ」
@東北合衆国宮城州仙台市―東北鉄道株式会社仙台駅前
1156年1月1日東北標準時刻0000時
「ハッピーニューイヤー!!」
ポン!!
ドドドドーン!!
掛け声と同時に花火が打ち上げられ、夜空に大輪の花を咲かせる。
その空にはもうクラックゥはいない。
日本列島暦1156年の年明けは東北の人々――いや、日本列島の人々にとって特別な年明けになった。
5月の坂東北部3県の解放に続いて12月の東北全土の解放。
これまで、ただ退却を続けていた日本列島の人間がクラックゥから土地を奪い返した記念すべき出来事は人々の新年への期待を膨らますには十分だった。
そして、それがもたらしたのは期待や希望だけではない。
東北や坂東北部3県の復興。
それらはここ10年近く続いている不景気を吹き飛ばすには十分すぎるくらいの需要と雇用を産み出すとされている。
さらに、自由東北合衆国政府によって東北解放前から計画されていた都市改革。
『新東北計画』だ。
この計画は東北全土を復興させるこの機会に東北の都市を地震や津波などの災害に強く、継続的に雇用を産み出せる都市とする計画だ。
この計画はより強い都市への改造を進める扶桑や北九州連邦(九州連邦共和国志賀島学園臨時政府)からも注目されている。
ともあれ、日本列島の人々は久々に希望を取り戻した。
それを表すかのように1155年の流行語大賞には『解放』や『前進』、『進歩』、『希望』、『改革』、『革新』などの言葉が並んだ。(その他には『空襲』というのもあったが、これは8月に坂東であったクラックゥの大攻勢のせい。)
すでに多くのことが動き出している。
ドドドドーン!!
クラックゥのいなくなった東北の空に打ち上げられた花火はその象徴だった。
ヒダカアローズ完結!!
長かった……長かった……
この小説を書き始めたのは2011年の1月
その後3回の改訂を経てここまで来ました(号泣)
この小説のラストのように東北が復興へ向かうことを期待します。
がんばろう日本!!がんばろう東北!!