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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

生きるか死ぬかの戦い

作者: 西中の虎
掲載日:2026/10/28

クリスマス。神聖な日の夜に、杉山と箱田は「大会」に参加していた。


「ついにこの日が来ましたね笑」


「はい笑」


ぎこちない会話の節々から、二人はかつてないほど緊張していることが感じ取れる。

二人を含め参加者は約3億人。頭の痛くなるような数字だ。


「箱田さん、もうすぐ始まるようですよ笑」


「そのようですね。急ぎましょう笑」


『『『ビーーーー‼️』』』


箱田が言い終わると同時に、晴天を劈くような開始の合図が鳴り響いた。しかし箱田と杉山は出遅れてしまったようで、二人とも顔があまり晴れやかでない。もっとこまめに時間を見て、計画的に行動するべきである。反省しなさい!



「大会」のルールは非常にシンプルだ。スタートから6kmのコースを進み、ゴールにある「玉座」にいち早く辿り着いた者が勝者、というものである。


開始20分後、


『侵入者発見、侵入者発見。直チニ排除セヨ。』


出遅れた杉山と箱田は前方からけたたましい機械音声を聞いた。


「なんですかこれは笑」


杉山が驚く。


『侵入者発見、侵入者発見。直チニ排除セヨ。』


「「「「ぎゃああああああ‼️‼️」」」」


先頭の方から断末魔が鳴り響く。すると、灼けるようなレーザー光線が箱田のすぐ側をかすめた。


「うお笑」


箱田は余裕そうに見えたが、二滴ほど小便をちびっている。汚い笑


「6kmは短すぎるし怪しいと思っていましたが……まさかこんなものが待ち受けていたとは笑」


杉山の発言に箱田が口を開く。


「私達が少々出遅れてしまったのが吉に転びましたね笑 時間通りきっちりだと今頃肉塊でしたよ笑」


「殺すぞ‼️」


杉山がキレた。実は出遅れたのは箱田の遅刻が原因で、彼はトイレでウンチをしていたのだ!ウンチマン!ウンチマン!!笑

杉山は自らの失態を正当化するような物言いの箱田が許せなかったのだ。


しかし、今は喧嘩をしている場合ではない。そうこうしているうちに前方から排除ロボが迫ってくる。


「困りましたね笑」


肉塊と化した前方集団を目の当たりにした二人はなんとか打開策を見つけようと思考を巡らせる。

すると、ポケットを弄っていた箱田がシャーペンを見つけた。


「打開策が見つかりましたよ、杉山くん笑」


箱田はニヤリと笑うと、シャー芯を少し出してロボットに狙いを定めた。


「まさか」


「シャー芯を飛ばします笑」


FPSゲームで鍛え上げた箱田のエイム力が火を噴く!!!


『ガガガガガガガガガガガ』


聞こえてきたのは機械の故障音。作戦は成功した。


「うお笑」


箱田は喜んでいる。ウンチの失態を挽回できたようだ。そして二人は先頭になった。前のやつらは皆死んだので笑



暫く走っていると、前方に分かれ道が見えてきた。ゴールは片方の道にしか繋がっていない。二人はひどく悩んだ。


「ン俺は左の道に行くやあ‼️」


後方からバイクに乗った西宮が!ハンドルにはお馬さんの被り物が取り付けられている。

西宮の声はドップラー効果を引き起こし、そのまま左の道に消えていった。


「私達は右に行きますか笑」


「そうですね笑」


杉山の提案に箱田が応える。


そうして走っていると、人工物が見えてきた。


それは黄金に輝く門。ゴールゲートだ。

二人は正解の道を選んだのだ。


「おお笑」「おお笑」


二人は喜んだが何故か門の様子がおかしい。杉山がいち早くそれに気付いた。


「通れないですね笑」


門は固く閉ざされていたのだ。これでは玉座に辿り着けない。


「まじか笑」


箱田が反応する。

二人は門を叩いたり蹴ったり、「殺すぞ‼️」と罵声を浴びせまくったりしたが、一向に変化がない。


すると、後方から轟くようなバイク音が!


「ン道を間違えてしまったやあ‼️‼️」


西宮だ。


「「「「ぎゃああああああ‼️‼️」」」」


彼は杉山と箱田の後ろの集団を轢き殺しながら、猪の如く全速力で突っ込んできた。

そして鼓膜を破るような衝突音。門は開いた。


そこに輝くのは黄金の玉座。下腹部が反応するほどの魅惑的な匂いも漂っている。杉山と箱田を含め、血眼になった集団が我先にと押し寄せる。が、時既に遅し。

門を破壊した勢いそのまま、西宮が黄金の椅子に座していたのだ。


その瞬間、耳を劈くような警報音が鳴り響き、西宮以外の参加者は排除ロボに射殺された。

敗者に生きる道は残されていないのだ。


こうして精子の西宮は他の精子たちを押しのけて受精卵と成り、この世に産まれ落ちたのでした。

めでたしめでたし!


完


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