表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/78

第40章 スノーバード

ゲンキとレイカは荒れ狂う嵐の中を歩き続けた。風は傷ついた獣のように唸りを上げ、猛烈な突風となって雪が顔に打ち付けた。肌を刺し、ゲンキのパーカーを濡らしながら、彼はホワイトアウトの中を目を細めて進んだ。


「くそっ、この嵐はひどい!」ゲンキは風の轟音にかき消されそうになりながら叫んだ。


レイカはさらに近くに浮き上がり、半透明の体がかすかにきらめきながら、彼らの前に光る**障壁**を召喚した。風は鈍い唸りへと和らいだ。「このままじゃ何時間もかかるわよ!」彼女は雪に目を細めながら叫び返した。


ゲンキは顎を食いしばり、凍った地面に手のひらを叩きつけた。**氷のドーム**が彼らの周りに立ち上がった――厚い壁と間に合わせの屋根だ――一瞬の猶予が生まれた。彼は鋭く息を吐き、震えた。「パーカー一枚じゃなくて、もっと着てくればよかった……」彼は歯をガチガチ鳴らしながら呟いた。


彼は目を閉じ、寒さを遮断しようとした。ゆっくりと、彼は感覚を拡張し、魔法を伸ばし、周囲の極寒のエネルギーに同調した。渦巻く自然の冷気の中で、彼は**異常な筋**――発生源――を探した。彼は一点に焦点を絞った。


そして、彼の目がカッと開いた。


「おい……レイカ。あれがこっちに向かってきている。」


彼女が応答する間もなく、圧倒的な魔法の圧力が上空から彼らに叩きつけられた。


巨大な**つらら**が空から射ち下ろされ、氷の屋根を槍のように突き破った。レイカは瞬時に障壁を張り、つららは耳をつんざくような**音**を立ててそれに砕け散り、破片が彼らの周りに飛び散った。


ゲンキの体には**雷**と**精霊エネルギー**が湧き上がり、力が宿った彼の目の周りで弧を描いて**パチパチ**と音を立てた。「何かが氷の魔法を同化させたのか?一体何なんだ?!」


上空、濃い降雪を通して、ぼんやりとしたシルエットが、ゆっくりと不気味な円を描いて羽ばたいていた。レイカは警戒しながらそれに向かって飛び上がった。


そのクリーチャーが視界に入った。**鳥**だ。


それは彼らが以前見たものと瓜二つだった――同じ形、同じ鋭いビーズのような目と黒い嘴――だが、これは**純粋な白**で、その羽毛は月光の下の霜のようにきらめいていた。その存在は不自然だった……**腐敗**している。


ゲンキは上方に跳躍し、**電気の衝撃**を放った。しかし、風が唸り、雪が霜の津波のように押し寄せ、稲妻を空中で消し去った。ゲンキは突風によって後方に吹き飛ばされ、雪に覆われた地面に**ゴツン**と音を立てて叩きつけられた。


彼は慌てて立ち上がり、膝立ちになると、自分の周りに氷の壁を作りながら**封印**を織り始めた。一つ一つの動きは意図的で正確で、彼の指は空中に光る**ルーン文字**を描き、渦巻く嵐の中に魔法を刻み込んでいく。彼は鳥のエネルギーに同調し、それに合わせて封印を形作った――鍵に合うように作られた錠前のように。


レイカは彼のそばに降り、月光の下でガラスのようにきらめく**障壁**を呼び出し、彼を氷の集中砲火から守った。鳥は上空を旋回し、まだ攻撃してこないが、見つめていた。


待っているのだ。


レイカはゲンキを振り返った。集中で彼の眉間に皺が寄り、寒さにもかかわらず額に汗が凍りついているのが見えた。彼女は拳を握りしめたが、黙っていた――今、彼を邪魔すれば、すべてを失う可能性がある。


「早くして……」彼女は息の下で呟いた。


封印は形を成した――雪の結晶の上に翼が重なったような、完全な円を形成する光る紋章だ。ゲンキはそれを空に向かって掲げると、手が震えた。魔法は**活線**のように**ブーン**と鳴った。


封印が作動すると、鳥はさらに強く羽ばたき、サイクロンのように風がその周りを渦巻いた。それは泣き叫び、その**不気味な金切り声**が島中に響き渡り、引っ張る力が始まった。


それは抵抗した。翼で嵐を切り裂き、風を強めた。雪はさらに速く渦を巻き、ゲンキの頬と腕に浅い切り傷を残すほど鋭くなった。レイカの障壁はちらついたが、ゲンキの精霊エネルギーをさらに吸い上げてそれを補強すると、持ちこたえた。


「どうせ封印には必要ないんだから……」彼女はプレッシャーにもかかわらず唇をニヤリとさせて呟いた。


鳥は再び金切り声を上げた。封印に向かって少しずつ引っ張られ、その翼はパニックでばたついた。そして、最後の一回、必死の羽ばたきと共に、それは完全に封印の中に吸い込まれた。**嵐はぴたりと止まった。**


沈黙。


ゲンキは崩れ落ち、四つん這いになって、彼の息が今や静止した空気を曇らせた。雪はゆっくりと、穏やかな雪片となって舞い降りた。


レイカは見上げた。雲がわずかに分かれ、黄金色の光が柔らかい光線となって差し込んだ。彼らが到着して以来初めて、太陽が嵐の間から顔を覗かせた。


「やったわね……」彼女はほとんど信じられないように囁いた。「本当にやったわ。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ