第18章 限界を試す
少年たちは結界の背後に留まり、無言だった。死とすれ違ったことで、まだ神経がざわついていた。空気は残留魔力でかすかにパチパチと音を立てる。ゲンキは裏庭の冷たい石壁に背中を押しつけ、額から汗を滴らせ、白いパーカーが体にまとわりついていた。
レイカは彼のそばに浮かんでいた。普段なら光るその姿もわずかに薄暗くなり、両手は不安そうにぎゅっと握られている。彼女は彼の精霊エネルギーを一滴残らず吸い取った――それなのに、彼はどうにかして、あの……何か、をしたのだ。
数分後、ダイゴが戻ってきた。その大柄な体は嵐の雲のように動き、目は怒りで鋭く、急ぐために使った風の魔法で彼の顎髭は乱れていた。
「青酸カリのカプセルを持っていた」彼はぶっきらぼうに言った。「俺に気づかれた瞬間に、自決した。」
ゲンキは体をこわばらせた。レイカの半透明な赤い目は細められた。
レイジはため息をつき、ポーチの手すりにもたれかかった。腕を組み、口にくわえた爪楊枝はしなだれていた。「もちろんそうだろうな。答えが手に入るほど、都合が良すぎる。」
彼の琥珀色の視線が一行を見渡した。「これはただの無作為な暴走魔術師じゃない。誰かに命じられたものだ。昔の仲間たちが裏にいると見て間違いない。」
先ほどの訓練でまだ息が上がっていたハルトは、素早く顔を上げた。息をのむ。「昔の仲間?……あの三人の裏切り者の魔術師ですか?」
ダイゴはゆっくりと頷いた。「そうだ、息子よ。まだ確証はないが、もしこの男が捕まるより死ぬことを選んだのなら……奴は忠誠を尽くしていた。そして、そこまでやるのは、あの連中だけだ。」
レイジは顎をこすった。「最近、何て名乗っていたか……サンセット、だったか?」
「ああ」ダイゴは短く答えた。「そんなところだ。『日没』。今の人間時代の終わりをもたらし、新しい夜明けを迎えようとしているから、だとさ。」彼はうんざりしたように目を転がした。「まったく、詩人みたいな連中だ。」
その言葉は、まるで霧のように空中に漂い、立ち込めた。
沈黙を破ったのは、ゲンキだった。彼は少し身を乗り出し、まるで授業中の生徒のように手を上げた。「……話は変わるんですが。さっき、俺がやったあれって、一体何だったんですか?」
レイジはまばたきし、突然の話題転換に思考を中断させた。「正直に言って?見当もつかん。だが、お前の精霊エネルギーは完全に空だった。お前が何をしたにせよ……あれは精霊魔法じゃなかった。」
ハルトは眉根を寄せ、二人を交互に見た。「待って――そんなことってありえるんですか?生まれ持った魔法とは別の種類の魔法を使うなんて。魔術師は一つの属性しか持てないと思っていたのに。」
ダイゴの低い声が再び会話に加わった。今度は、さらに静かだった。「稀だ。本当に稀だ。古い記録がある――我々魔術師のほとんどは、それがただの神話だと思っていたんだが――二種類以上の魔法を使える人間の記録がな。第二、あるいは第三の属性に目覚めた者もいたという。だが、もし今日我々が見たものが本物なら……」
彼の視線はゲンキに釘付けになった。
「……お前がそれが可能だという生きた証明になるかもしれない。」
ゲンキは深く息を吐き、こめかみを揉んだ。「じゃあ……俺は別の種類の魔法を持っている可能性がある、ってこと?でも、それが何かも分からないんですか?今までに見たことのあるものなんですか?」
レイジは眉を上げ、肩をすくめた。「さあな。だが、あの銃弾はお前の頭に完璧な軌道で向かっていた――そして、そうではなくなった。まるで世界全体を曲げて、それを押しやったかのように、お前の後ろに突き刺さっていた。俺には空間魔法のように聞こえる。あるいは時間か。とてつもない力だ。」
他の二人は互いを見た。その可能性の重みが、彼らにのしかかる。
レイカは普段と違って静かだった。ゲンキの後ろに浮かんでいる。その赤い瞳は鋭く、心配よりも深い何か――好奇心……そして、恐怖に満ちていた。
そして、ダイゴが前に足を踏み出した。命を吹き込まれた巨石のように、その肩を動かした。
「一つ、試してみよう。」
ゲンキは彼を見上げた。
ダイゴの声は穏やかだが、確固たるものだった。「ゲンキ……お前に、元素魔法が使えるかどうか、試したい。」




