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第8話 ぎゅっとなる
ビーズで手作りのブレスレットを作った後は、またぶらぶらそこら辺を歩いて、スマホで写真を撮ったりした。
そして、最後に向かったのは夕日がきれいに見える公園。
二人でベンチに並んで座りながらおしゃべり。
夕日が沈む時間を待った。
話題にするのはどうでもいいことばかり。
普通こんなもん。
将来の事とか国の行方とか、難しいことはわからないしね。
びゅうっと、風は吹いたら彼氏が私の頭に手を伸ばしてきた。
「あっ、頭に葉っぱ。じっとしてて」
その手つきは優しい。
今だけじゃない。
私に触れるときはいつもそう。
まるで宝物を扱うみたいにしてくれる。
私はそういう時、なんだかすごく大切にされてるなって思って、心がぎゅっとなる。