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彼女が父と''仲良し''してたなんて信じられるか?  作者: 隆頭


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Ex-8 アイカとの出会い

 それは俺が中学三年の時の話だった。

 ツヨシた遊んでいる時に彼の友達である女の子がやってきた。


「ツヨシ、今日予定ある?」


「見てわかんねぇか?コイツと遊んでんだろ」


 彼女の問いかけに対し、彼はつっけんどんに答える。もうちょっと優しくしてやりゃいいのに。


「そっか…ごめん」


 そんなツヨシに彼女がしょんぼりとした風に謝る。その姿にこっちまで申し訳なくなってしまう。


「別に俺は大丈夫だから、その子の話くらい聞いてやりゃいいんじゃねぇの?」


「いいんだよ、ほっとけほっとけ」


 二人の関係性が分からない以上俺が言えることはあまりない。

 もしかしたらツヨシがそこまで冷たくする理由があるのかもしれないし、俺とのぞみの関係を考えると人のことは言えなかった。

 申し訳なくなり彼女に頭を下げると キッ と睨まれてしまった。


 それがアイカとの出会いだ。

 とはいえそこまで関わる事はなく、あるとすればツヨシと遊んだりしている時に、彼に用があるアイカが来て俺が睨まれるくらいだ。

 そんな事が続いたことで俺は思い切ってツヨシに聞いてみた、彼女とはどういう関係なのかと。


 どうやら中学の二年へと進級した折にひと月だけ付き合った仲らしい。一年の時に知り合って、同じクラスだったことでお互い気になっていたらしい。

 別れたきっかけはお互いの価値観が合わなかったから……らしい。

 ちょっとしたきっかけで始まった喧嘩、いつもの事ではあるのだがその時だけはかなり長引いたらしい。

 それにより果たして別れた二人だが、ここ最近 彼女からよく声を掛けられるとの事。

 しかしツヨシもあの時のことがあってついついああいった対応をしてしまうらしい。

 要は意地になっているのかと、そう思った。


 そんな話を聞いてしばらく、酒匂と二人で街を歩いていると複数の男に連れられた彼女を見つけた。

 嫌な予感がして、携帯を持っていない俺の代わりに 酒匂にツヨシを呼んできてもらい俺はソイツらの後をけた。


「オラっ!暴れんなよオイ!」


「クソっ、こいつ意外と力つぇぇ……」


 二人がかりで押さえ付けられるアイカを見た時、俺の中で何かがキれた。


「……ふっ!」


 押さえ付けていない方の男を後ろから思い切り蹴り飛ばすと、ソイツはそのまま吹っ飛んでいった。そこにはもう一人おりソイツは突然のことに驚いたままとなっている。


「なんだ!」


「テメェ!」


 すぐそこにいるもう一人の腹に一発 パンチを叩き込むが、意外とタフなのかソイツは耐えた。

 そしてソイツは懐からナイフを取り出して突き刺そうとしてきた。

 その手をはたいて軌道を逸らし、両耳を掴んで引き寄せながら鼻っ柱に頭突きした。


 出せる全力でやったからかソイツの鼻からダラダラと血が出ているが、それでも倒れることなく手に持つナイフで攻撃してきた。

 すかさず避けようと思ったのだが、アイカを押さえ付けていた二人の内一人が俺の邪魔をしてきたことで避け損なってしまい脇腹を刺されてしまった。


「ああっ!」


「へへっ、ざまぁねぇぜ」


 俺が刺されたことでアイカが悲痛な声を上げる。

 二対一では相手の攻撃を捌くだけでいっぱいで、ヤツらは俺がダメージを負ったことで慎重に動くようになってしまった。

 このまま血が流れ続ければこちらが危ない……そう思ったところで奇跡的にツヨシと酒匂がやってきた。


 そこからは一瞬で片が付きアイカを襲った馬鹿どもは先輩連中に連れていかれた。

 恐らく相当なシゴキにあうことだろうが、知ったことでは無い。

 ちなみにツヨシと酒匂だけでなく彼らも俺が怪我した事を心配してくれ、その中の一人が知り合いがやっているという病院まで送ってくれた上に、治療費まで払ってくれた。


「ありがとうございます、ここまでしてもらって…」


「良いってことだ!ツヨシの可愛い友達ってんだからこれくらいカッコつけさせてくれよ!」


 厳つい見た目に寄らず優しい人たちだった、ちなみに彼らはツヨシよりも歳上である。



「ごめんなさいマサくん、本当にごめん……」


「ありがとなマサ、お前のおかげでアイカも助かった」


 その後の俺たちは街の方まで送ってもらいツヨシから感謝され、アイカからは謝られた。


「どうって事ないよ、アイカが無事で良かったんだからさ」


 俺がそう言うと彼女がまた謝ってくるが、俺が欲しい言葉はそれじゃない。


「んー、俺としては謝って欲しいわけじゃないんだけどな……」


 俺がそう言うと彼女はポカンとしていたが、ツヨシが背中を押すとその意味を察してくれたようですぐに頭を下げてお礼を言った。


「ズズッ…ありがとうマサくん……」


「おう!」


 鼻を啜りながらそう笑った彼女に俺も笑顔で返した。


 ちなみに彼女が絡まれたのは、歩いていたところであの連中とぶつかったかららしい。

 ケジメがどうとかバカ言って彼女をあの場所に連れていく途中を俺が見つけたという事だった。


「それで、二人はどうしたいわけ?」


 俺がそう言うと二人は黙って見つめ合う。


「まぁいいや、俺はもう帰らなきゃいけないからさ」


 そう言って二人に手を振りながら立ち去った。



 ちなみに……


「酒匂、お前どうしてあの時スマホで連絡してこなかったんだよ」


「あっ……」


 ツヨシの問いかけに酒匂が忘れてたとばかりにそう言った。

 そのあとツヨシからしばかれたのは言うまでもない。

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