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彼女が父と''仲良し''してたなんて信じられるか?  作者: 隆頭


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四話 手始め暴露

 荷物を観納みのう家に持っていくことに成功した俺はバイトにきていた。


「おはようございます」


「お!おはようマサ…っておいどーしたよそれ」


 バイト先のファミレスにシフトより少し早く来た俺は、大学生の先輩である彩藤さいとうさんと挨拶した。

 実はバイト以外にも色々と関係がある人だ。


「まぁ嫌ぁなことがありましてね、もう女はこりごりですわ」


「ふぅむ…もうちょっとで休憩だからその時に詳しく教えてくれるか?」


「えぇっスよ」


 そうして待つこと三十分弱…。

 休憩に入った彼が休憩室の扉を開け入室してきた。


「よっ、待たせたな」


「どもどもー」


 そう言葉を交わし彩藤さんが俺の向かいの椅子に座る。少し硬い表情でこちらを見た。


「んーで、なーにがあったのか教えてくれよ」


 あの日家であったことを話す。

 もちろん正直に、感情を伏せてだ。


「ほぉ…そりゃまた大したもんだな…」


 口調こそ静かだがその手はぎちぎちと握っている。怒ってんねぇ俺知らないよ?


「とりあえず俺の幼馴染が色々と探り入れてるみたいなんで、証拠というか証言というか…まぁそういうのが出たら反撃ですよ。それにあのクソオヤジにも反撃しなきゃならないし」


「そうか、とりあえず店長にこのこと話しとくからよ、今日はとりあえず病院行ってこい」


 彩藤さんがそんなことを言ってきて、これからバイトなのに?シフトは?と困惑してしまう。


「こっちは何とかするわ、とりあえず病院に行って見てもらえ。そこまで怪我すると何があるか分かんねぇからよ。足もやられてんだろ」


「はぁ…わかりました」


 という訳で今日はバイト休みです。

 彩藤さんはまた埋め合わせ頼んだ!と言っていたので恐らく一人欠員のままでやるつもりだ。

 あの人はそういう性格だからな。


 その後俺は病院に行き診てもらったが、左腕は強い打撲、右足も捻挫。

 いやー、事情を聞いた医者も顔をしかめてたよ。

 場合によっては児童虐待やら傷害として訴えられるかもしれないからと診断書も出してもらった。ちょっと値が張ったよ、痛い出費。



 それから一日開けてのぞみと登校してきた、今日は莉乃りのに例の録音を聞かせて、どういうことか問い詰めるつもりだ。


 ちなみにその録音データは一応彩藤さんにも渡してある。ついでにヤってる写真もな。

 別で保管しておかないと後で困るかもしれないし。


 あの録音を聴いた時は腹が立ったが、悲しくは感じなかった。むしろやっぱりか…という納得感の方が強かった。



 教室に入り自分の席に座る。

 すると良月いづきが近付いてきた。


「おはよ晴政はるまさ


「おすー」


 短く挨拶を交わし、すぐに希がこちらに来て良月と挨拶を交わす。


「それで、大丈夫なのかい?」


「まぁ、大丈夫と言えば嘘になるけど…色々とな…まぁ後でわかるよ」


「そっか…?まぁいいけど」


 良月が不思議そうにしていると、何処からかズカズカとやってくる奴がいた。


「よぉよぉ、クサレDV野郎が何しに来たんだよ」


「ちょっと!やめなさい!」


 いつぞやか俺に因縁つけてきたチャラ男だ。

 ソイツはガシッと俺の髪を掴む。

 希がそれを見て激昂しソイツの肩を掴む。

 きったねぇ手で触られて極めて不愉快だ。


「おい…離せよ」


「あ?うっせーよ。弱い奴にしかイキれねーやつは黙って…」


「おい」


 良月が恐ろしく低い声で唸る。

 俺の髪を掴むその手首を握り潰す勢いでぎりぎりと締め上げている。


「テメェごときが晴政に何してんだ?……ヤッちまうぞコラ」


「あででで…ックソ…こうやって守られねぇと何も出来ねぇくせに…よっ!」


 締め上げられ俺の頭から手を離したチャラ男は、その手を離してゴチャゴチャ言いながら俺に殴りかかってきた……がその小さな拳を掴む。デカイのは背丈タッパだけだな。


「はぁ…お前こそ弱いのに群がってイキるなよ」


「ぐっ…イッつぅ…」


 掴んだ拳をギリギリと握るとソイツは膝を折ってうぐうぐ言ってる。だせぇなコイツ。


「クソ…舐めやがって…」


 勝てないと分かったら捨て台詞を吐きつつすごすごと立ち去って言った。


「ったくゴミが…晴政、大丈夫?」


 今の今までヤツにガン飛ばしていた良月が、ついさっきまでの圧を全く感じさせないできゅるるんとした雰囲気で心配そうに聞いてくる。なでなでとしてくる手が意外にも柔らかくて気持ちいいんだよな。ツラも可愛いし。


「まぁあれくらいはな、大した事じゃない」


 心配してくれる二人を他所に俺は莉乃に対しどうするかで頭がいっぱいだった。


「ったく、悩んでても仕方ない…やるか」


 何故か緊張してタイミングを伺っていたが、それも次第にバカバカしくなったのでヤツの元へ近付く。


「莉乃、話がある」


「ちょっと!莉乃に近付かないでよ!」


 莉乃の傍に行くと、その友人たちが行く手を阻もうとする。

 事実も知らないで可哀想なもんだな。同情はしないが。


「…いいよ、私もハル君とお話したかったから」


 莉乃は友人に声を掛ける。

 この嘘つきは何を一体なにを言うつもりだ?


「ハル君…私たち、やり直そ?」


「……あ?」


 あの録音でも言っていたが、あれはさすがに冗談だと思っていた。え、本気?

 あんなことになってやり直そうって?馬鹿にしてるのか?


「私考えたの、今までハル君がしてきた事にはちゃんと理由があって、そうさせてしまったのは私のせいだって…」


「……」


 訳が分からず言葉に詰まっていると、ソイツはまだ話を続ける。なんとも白々しい。


「確かにハル君にされたことは辛かったよ…でもそれ以上にあなたのことが好きなの!…ね?あの時のことは水に流すから、許すから!……私たち、もう一回付き合お?ね?」


 要するに…だ。こいつは聖女アピがしたいんだな。現実はどっちかってぇと性女だろうが。

 気持ちの悪いヤツ。


「そうかそうか、お前はそういう奴だったんだな」


「…ほぇ?」


 呆れ果てて出てきた言葉に莉乃は固まる。

 それを他所よそに取り巻き共が騒ぎ立てる。


「ちょっと!せっかく莉乃が手を差し伸べてあげたっていうのに何その態度!」


「だってそうだろ?俺は莉乃のせいでこうなったんだ、腕だってこんなん、足だって捻挫してるし散々だよ」


 俺は顔を指さして服をまくって左腕を見せた。

 真っ青になった腕を見て周りの連中も うっ…と声を漏らした。


「それは…」


「お前がウチのクソ親父と結託して俺をハメたのは知ってる。お前が金目当てでアイツとパパ活してるのもな」


 俺が事実を言うと莉乃は立ち上がり露骨に焦り出した。


「ちっ違うの!そんなつもりじゃなくて、ただ私はハル君にされたことが辛かったからあの人に相談しただけ!それがまさかあんな事になるなんて…」


 白々しい態度を崩さない莉乃に、便乗する周り。うるせぇヤツらだ情弱共め。


「挙句に''水に流す''だと?なに聖女ヅラしてんだ、お前の腹ん中は見えてんだよ」


「おい、黙って聞いてればいい加減にしろよクソ野郎。女に手を出して自分が被害者面か?」


「……離せよ」


 真面目を気取った馬鹿が俺の肩を掴んで横槍を入れてくるので一睨みしてやると、そいつはビビって後ずさった。


「はぁ…まぁそうやって言えば周りが助けてくれるってのも楽なもんだな…」


 そう言って俺はスマホを取り出し、最大音量で流した。


 その内容が全て流れ出す頃には、莉乃も周りの連中も真っ青になり、さっきから俺の目の前に立っている女は信じられないといった表情をしていた。

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