閑話 晴政の思惑通り
えええぇぇぇぇえ!うそうそうそ!
あんなに素敵な男の子とあんなこと…まるでデートみたいなことをするなんて!しかもハグまで…。
まだ頬が熱を持ったまま、ポカポカとする体が先程の出来事が夢でないことを証明している。
「また、会えるかなぁ…」
晴政さんは私が言いたいこと、吐き出したいことを全部聞いてくれたし、困ったら協力すると言ってくれたし…初対面にしては驚くほど色々としてくれる。
…もしかして、晴政さんって私のことが…?
そんな身の程の知らないことを考える。
でもなんの感情も抱いていないのならここまでするのだろうか?ありえないと思う。
弟が彼に酷いことをしたのは間違いなくて、姉弟共々責任を取れ、なんて言われて何をされるか分からないのに、それどころか寄り添ってくれるなんて…。
未だ状況が読めないものの彼がとても素敵な人なのは分かる、それだけは間違いない。
最初にどこだか分からないところに連れていかれた時は一体どうなってしまうのかと怖かったものの、終わってしまえばまた彼と会いたいなんて考えてしまう。
「…もしかしたら、今度はホテルとか行くのかな…って私何言って…!」
さっきの事で私は興奮しっぱなしなようで思わずはしたない事を呟いてしまう。
晴政さんからハグしてくれたんだし、私にそういった感情を抱いてくれているのかもしれないと期待してしまう。
年頃の男の子だもん、むしろ健康的だと思う。
もしそんなつもりは全くないだなんて言われてしまったらそれこそ自信をなくしてしまう。
性欲がない人間なんて相当珍しいだろうし、期待してしまうのは仕方ないよね…?
大きい手、大きな背中。暖かい手、暖かい胸。
もう一度あの手を握りたいしもう一度彼に包まれたい、そんな想いが胸中を支配する。
男の子とあんなに急接近したのは初めてのことで色んな感情が綯い交ぜになる。
ベッドの上で恥ずかしさに悶えながら彼を想う。
「期待してもいいんだよね…」
胸に手を添えるとその奥からドクンドクンと強く弾いてくる感触がある。
熱い頬、高鳴る心臓…正常でないことは明らかで、先程出来事が関係していることも間違いない。
私はたった一日ですっかり晴政さんに心を奪われてしまった。




