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彼女が父と''仲良し''してたなんて信じられるか?  作者: 隆頭


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二十八話 チャラ男への罰

「どうしてテメェがここにいンだ!」


 チャラ男が俺に叫ぶ、まぁそりゃそうか。

 だって俺はクソ親父に捕まってるはずだからね。

 なんならまだ傷は癒えていない…そう考えるとなんだか無性に腹立ってきたな。


「どうしてもクソもねぇだろ、お前のせいでこっちは散々だよクソ野郎」


「んだとぉ…テメェあの時あのオッサンに連れてかれたんじゃねぇのかよ!」


「あぁ連れてかれたよ、お陰で何日か入院だバカ野郎」


 なんかめっちゃ激昂してるけどさ、それ俺がやりたいんだよねぇ…。


「それなら一生寝てろや!目ぇ覚ますんじゃねぇよクソ野郎!」


「残念ながらそりゃ無理だ…ところで、お前あのクソ親父からまぁまぁ金貰ったようだな?」


 その問いかけにコイツはウッ…と声を上げてたじろいだ。分かりやす!


「図星っぽいな…お前が俺の気を引いてる間にクソ親父が俺を殴って気絶させて…なぁんて古臭い手に引っかかっちまって、情けねぇなぁ…はぁ…」


「……あぁそうだよ…だったらなんだよ!文句はあのオッサンに言えや!」


 遂には開き直り始めた、バカかな?


「悪いけどアイツはもう捕まってンだよ、色々と訴えられてるようでな、慰謝料やらなんやらで首が回らないようだし、家も売り払うんじゃないか?」


 その辺りのことは酒匂さかわから聞かせてもらった。横領についても訴えたそうだ。

 相当な額を慰謝料として請求するみたいだからあのクソ親父には家を売るしか手はないだろう。

 まぁこっちも慰謝料 貰うけどな。傷だらけにしてくれやがって…。俺の代わりに母さんが動いてくれてるよ。


「ンだと…ざけんなよ…」


 まさかの事実に驚愕しているが、監禁されていた俺が出てきている時点で真っ先に思い浮かぶ事だろう。バカすぎる。


「さて…一体どういうことか説明してもらっていいか?」


 横で見ていた彩藤さいとうさんが口を挟む。


「あ…そうですよ!コイツ、俺に喧嘩を売ってきたんです!」


「はぁ?」


「コイツが俺に喧嘩を吹っかけてきて、それで…」


 チャラ男がバカな事を言い始めたところで、彩藤さんがヤツに圧を掛けると、コイツは押し黙ってしまった。


「本当の事を言えよ馬鹿野郎、テメェが何したか既にバレてんだ。これ以上嘘つくってンなら容赦しねぇぞコラァ!」


 彩藤さんが怒鳴って額をヤツに突きつけた。

 彼にキレられたことがないのか、ヤツはブルブルと震えて本当のことを洗いざらい話した…。




「そうか…マサの言い分とは合致してんな」


「えと…ソイツは彩藤さん達のなんなんすか?」


 チャラ男はおそるおそるといった様子で彩藤さんに問いかける。


「あぁ?ンな事も知らねぇで喧嘩売ったのか?

 コイツは俺のダチだ、お前は俺のダチに喧嘩売ったんだよ」


 俺の肩に手を回して言う彩藤さんの言い分にチャラ男は顔を真っ青にした。

 しかし俺は一つ言いたいことがあった。


「というか、ツヨシだけじゃなくてここにいる連中なら皆知ってんぞ。酒匂もな、コイツにゃこないだ世話んなった」


「いやぁ、他でもないマサくんのことっスからねぇ」


 酒匂が頭に手を当ててヘラヘラとしている。

 妙に嬉しそうなのはなんだろ?


「え…マジすか…」


 バカは顔を真っ青にしながら震えている。バカだねぇ…。


「なんなら俺はマサに危ないところ助けてもらったしな」


「あの時なぁ…あれは怖かったよ、もしアツシが死んでたらって思ったらな…」


 彼も監禁に近いことをされていたことがあったなぁと思い出しながら、ウンウンと頷く。

 他の連中もなんだかんだ紆余曲折を経て仲良くなった連中…つまり酸いも甘いも共にした友人たちなのだ。


「まぁそういう事だ。コイツが捕まってた時、ここにいる皆が全力で捜していたくらいにはオレらと仲が良い…そんなヤツをテメェは敵に回したってことだ…取り敢えずケジメつけてもらわねぇとなぁ?」


 思い出話もそこそこに、彩藤さんがバカに淡々と説明していくがヤツが感じているのはきっと凄い圧だろうな。めちゃビビってるわ。


「まぁ取り敢えず、あの人に出てきてもらうか。せっかく付いてきてもらったしな」


 そう、俺は今日ゲストを用意したのだ。

 その人にこちらに来てもらうために呼びに行く。


「そろそろ出て来てもらってもいいですか?お手数掛けますが…」


「いえ…本当に申し訳ないです…」


 物陰に隠れてもらっていた彼女を連れ、バカの前に出るとヤツが目に見えて狼狽ろうばいし始めた。


「え…なんで…なんでだよ!待ってくれ!その人には手を出さないでくれよ!」


「あぁ?テメェにそんなこと言う権利があると思うか?」


 文句を垂れるバカに彩藤さんが釘を刺す。

 こうなったのはヤツのせいだから彩藤さんの言う通りだが、俺とて別に彼女に手を出すつもりは無いよ、ただ家族のやらかした事を知っといて欲しいだけさ。


「まぁ…来てもらったさ、お前のした事は家族にきっちり叱ってもらわないとって思ってな…ですよね、お姉さん」


「えっと…そのっ、この度は弟が本当に迷惑をおかけしました…」


 彼女はゆっくりと頭を下げた。

 大学もバイトも上手くいってないって聞いてたからヒスったりして話にならないかと思ったけど、意外と話が通じそうなお姉さんで助かる。美人だし。

 このバカには勿体ないくらいのお姉さんだ、こんな良い人悲しませるようなことすんなや。


「なんでだよ!姉ちゃんは関係ねぇだろ!」


「いや家族だし」


 こじつけっぽいけどヤツにはそう言っておく。

 まぁその点に関しては俺も同意だが、別に彼女に関しては辛い目にあわせるって訳じゃないし我慢していただきたい…それに俺なりにクソ野郎を苦しめるならこの方法が良いと思ったのもあってね。


 お前はそこで指を咥えて見てろ、クソ野郎。

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