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彼女が父と''仲良し''してたなんて信じられるか?  作者: 隆頭


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十三話 あらぬ邂逅

 イライラとしながら道を歩く。


 前々から気に入らねぇ栄渡えどってヤツが裏木にDVをしたらしく、やり返されたとかでボロボロになって学校に来た、その時はざまぁみろって思った。

 あの時、アイツは悪人だった。

 だから俺もそれに合わせて色々やってやったんだが…。


 だがそれも結局は裏木うらきの嘘で、あのバカがドジ踏みやがったせいであいつの味方をしてた俺まで白い目を向けられる。


 せっかく栄渡の野郎をボコす大義名分ができたと思ったのに、散々だ。


 イライラが収まらず、道に落ちている小石を蹴る。

 しかしそんなんじゃ収まりゃしねぇ。

 なんとかあの野郎をぶちのめしてぇが、思いのほか腕の立つ野郎でもあるのがまた腹を立たせる。


 そんな時、すぐそこの曲がり角から誰かが飛び出してきて俺にぶつかった。


「ったくどこ見てんだ!」


「ごっ、ごめんなさい!」


 苛立ちをぶつける様に怒鳴ったが、よく見るとソイツは女で、しかも結構可愛かった。

 こりゃあいいと思いすぐに距離を詰めた。


「あ、あの…」


「テメェいてぇじゃねぇかよ、なぁ?」


 ほんの少し凄んだだけですっかり怯えちまってる。かわいいもんだ。


 幸いこの辺りは人通りが少なく、今周りにはだって誰も見当たらない。

 今のうちにどっかへ連れていこう。


「ごめんなさい、ちゃんと見てませんでした」


 そう言ってこの女は頭を下げてくる。


「ンなこたぁどうだっていいんだよ!どう落とし前つけるってんだァ?」


 よりビビらせるために威嚇するように声を張り上げる。それだけでロクに喋れなくなる。


「それは…」


「まぁいいや、取り敢えずちょっと来いよ」


 長引きそうになったのですぐにソイツの手を掴んで引っ張る。


「ちょっ、やめてくださ…いたい…」


「あぁ?ぶつかられた俺のがいてぇんだから我慢しろや、早く来い!」


 あーイライラする、さっさとくればいいものを、コイツが暴れるからいけねぇんだぜ?


「めんどくせぇや、一発殴るか」


「ひっ…」


 そういって拳を振り上げると、そいつは顔を背けた。


「おい、殴られたくなけりゃさっさと付いてこいよ、いいな?」


「い、いやぁ…」


 返事を待たず無理やり手を引っ張ると、ソイツは嫌々ながらに付いてきた。

 近くにちょっと大きめの公園があったな…そこの木々の中ならバレにくいだろ。


「やだ…やだよぉ…」


「いやいや言ってねぇで黙って付いてこいよ、すぐ終わる」


 上がる口角が抑えられず、早くコイツを犯したいと歩くスピードが自然と上がった。


「たすけッ…助けて…お兄ちゃん…」


 ソイツを連れて歩いていると、向こうから誰かが歩いてくる。

 しかし気にすることなく突き進むと、それが誰なのかが分かった。


「おいお前、何をしてる」


「あぁ?……え…」


 そこにいたのは…


「俺の目の届く場所でそういうのは許さねぇっつったろ」


「い…いやいや、違うんスよ!彩藤さいとうさん!」


 そこにいたのは、この辺りの不良を取り仕切るバケモン…彩藤さいとう つよしだった。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 お義兄ちゃんが義父を訴える為に何か協力できないかと思い、早足で家に向かうあたしは茶髪のチャラい人にぶつかった。


 その人は凄く怒って、無理やりあたしの手を引いてどこかへ連れていこうとしていた。


 何をされるかは大体予想が付く。

 怖くなって助けを呼ぶこともままならない私の前に現れたのは、金髪でピアスをした色黒の、ヤンチャっぽい感じの人だったけど凄くカッコイイ人だった。


「違うだぁ?じゃあ何してんのか言ってみろよ」


「えぇいやいや!ちょっとこの子が泣いてて慰めようと思って!」


 彼に問い詰められた茶髪の人は、怯えたようにしながら咄嗟に嘘をついた。


「ち、違います、この人に無理やり…」


 今だと思い私は彼に助けを求める。


「ぃや、違うだろ!ふざけんなてめ…あ…」


 茶髪の人は私を叩こうとして手を振りあげると、間抜けな声を上げてゆっくり振り向いた。


「……今すぐその手を離してとっとと消えろ、じゃなきゃてめぇ容赦しねぇぞ」


「すっ、すいませーん!」


 茶髪の人は凄い速度で逃げていった。

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