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「ギラードの右腕だって⁈」


フォレスタが即反応した。そして忌々しそうな目で竜人の腕を見て、呟いた。


「なるほど……そりゃ見た事ある訳だ、あいつ、腕が千切れてたのか、ざまあみろだ!」


フォレスタは憎しみを込めてギラードの腕を思いっきり蹴り飛ばそうとする……が


「あ……あれ⁈」


近づいただけで悪酔いしたかのように足がもつれ、座り込んでしまうフォレスタ。

どうやら強力な魔力でうかつに触る事も出来ないみたいだ。

フォレスタはふらふらと立ち上がった後、ギラードの腕を睨みつけ、少し考える仕草をした。

そして、


「ギラードの奴、腕だけでも迷惑かけるのね。イチ、穴掘ってこの腕放り込んで。ジーン、油持っていない?燃やしてやる」


そう言いながら火矢に使う時用の発火石を出そうとするフォレスタ。

うわ、フォレスタ本気だ。

それを見て慌てて止めに入るゲス郎。


「ちょっと待ってくださいでゲス!勿体ないでゲス!金目の物を剝ぎ取ってからにするでゲス!」


さすがゲス郎ブレない。

まあ、確かに高そうな宝玉とかが付いた装飾品着けてるけど、ここから剥ぎ取った物は使いたくないなあ。

まあ、売れば良いんだけどさ。


そう言いながらギラードの腕を眺めて気づいた。




装飾品の一部が淡く光っている⁈

なんで⁈いや、これは!




「これ、もしかして……魔道具じゃないの⁈でもなんで使い手不在で死んだ腕だけで発動してるの⁈」


驚くイチを見てリコもギラードの腕を改めてじっくり観察し始める。

そして、


「おそらく、腕そのものに膨大な魔力が貯蔵されているのだと思います。その残留魔力で発動してるんじゃないかと……」


リコが解説してくれた。え⁈そんなもんなの⁈使い手の意思とか必要だったりしないの⁈

と言うか、切り離されて死に体の筈の腕になんでこんな残留魔力が……。


「いや、でも本体から切られたトカゲの尻尾は暫く動いているよな……もしかして竜人って想像以上に生命力あったりするんだろうか……」


そう言いながら竜人の腕をまじまじと眺めるイチ。ギラードの腕についている装飾品のうち5個くらいは魔道具みたいだ。竜人の、しかも切り離された腕から回収するのはなんか気持ち悪くてイヤだなと思っていたが魔道具となれば話は別だ。回収すれば強力な戦力になる!


と思ったが、


「……残留魔力が強すぎてとても触れそうもない。困ったなあ。忌々しいがさすがはギラードだ。腕一本だけなのに手も足も出ない」


思わず歯ぎしりしそうになるイチ。そしてリコに質問した。


「リコ、なんとかこの腕から魔道具だけを上手く回収する方法は無い⁈」


「すみません。私ではとても手に負えないです……」


リコが申し訳なさそうに返事してくれた。


「いや、リコは悪くないよ、気にしないで」


リコにそう返すイチ。

仕方ない、魔力と言うより呪いみたいなものだからなあコレ。

どうしようか。




……待てよ⁈呪い⁈





「呪いとは違うかもしれないけど、エルマさんならなんとかできたりしないかな⁈」


「……!やってみる価値はあるかもしれません!」


イチの発案に顔色がパアっと明るくなるリコ。

そうだ!俺達にはエルマさんがいる!




いやダメだ。




「でも竜人たちが狙っているエルマさんを集落の外に出すのは危険すぎるよな……かといってこの腕を集落まで運べる気がしないし、こんなもの集落に持ち込みたくない……とりあえずこの凄まじい魔力を何とかしなければ」


イチがそう呟くと、


「もういいよ焼いちゃおう!こんな忌々しい腕!森が腐るよ、こんなの放置したら!」


フォレスタがやけっぱちになりながら発言した。

もう燃やしたくて仕方がないみたいだ。





いや、でもこの腕、燃やしてしまうもアリか⁈





こんなものここに放置したくないし、何より俺達にこの魔道具が使えなくても、竜人たちにギラードの腕や魔道具を渡さないようにするだけでも意味はあるもんな。


でも……


「うーん、でも火は使いたくないな。煙を見て誰か来るかも知れないし。いっそこの腕切り刻んでやるか⁈」


そう言いながら翠亀剣を眺めるイチ。

その時ふと気づく。


「(そう言えば翠亀剣はエリトの雷の大砲をかき消せたよな。魔法キャンセルというか。このギラードの腕は魔力の塊だし……もしかして翠亀剣で斬りつけたら、この厄介な残留魔力を削ったりとかできたりしないだろうか⁈)」


翠亀剣を鞘から少し引き抜く。刃が淡く緑色に光ってる。まるで使われるのを待っているかのように。


「やってみるか!」


イチはそう言いながら翠亀剣を鞘から引き抜くと、そのままギラードの腕に振り下ろした。



バチッ!



翠亀剣の刃が触れた瞬間に、ギラードの腕から刀鍛冶がハンマーを振り下ろした時みたいな火花が上がる。その圧で弾かれる翠亀剣。


「腕だけなのに鋼みたいな防御力だ!……ん⁈」


思わずぼやくイチ、だが同時に気づいた。

ギラードの腕に装着された魔道具が切れかけの蛍光灯みたいに点滅している事に!


「イケる!魔力を削れてる感じがするぞ!よーし!」


バチッ!バチッ!バチッ!バチッ!バチッ!


何度も何度も斬りつける。

そのたびに翠亀剣は弾かれ火花が上がる!

あまりの硬さに翠亀剣を握っている手が痺れてきた。

だがギラードの腕に装備されている5つの魔道具からは1つ、また1つと光が消えてゆく!

よし!もう少しだ!



そして更に数十回ほど振り下ろした後に



サクッ


…フッ



遂に翠亀剣の刃がギラードの腕に突き刺さった。

そして同時に、一番最後まで光っていた魔道具の淡い光も消失した。

……邪悪な魔力は消えうせた!


そっと重力制御を解除する。浮かせていたギラードの腕が地面に落ちた。

そしてイチは念のため皆を後退させてからギラードの腕におそるおそる近づいて、そーっと指先で触れてみた。




とんとん……。




よし!問題なく触れる!


「大丈夫そうだ!じゃあ魔道具、遠慮なく回収させて貰おうぜ!」


イチがそう言うと全員から歓声が上がった!


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