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軍事内局から届いた書簡の内容の説明を受けて、幕僚たちも一様に顔色を変えた。
「長官が暗殺されたとは、まことですか?」
全幕僚を代表して、幕僚長が最も重要なことを質問した。
「間違いではないようだ。この書簡が本物であれば」
ダイゴの返答に、幕僚たちは小声で囁きあった。
「何がどうなったのだ」
「長官が暗殺されたとは、ただ事ではないぞ」
「どうなっているのだ、首都の情勢は」
ダイゴは、少しののち、幕僚たちに向かって口を開いた。
「可能な限り最大限の兵力をもって、首都に向かう。首都到着ののち、速やかに治安を回復し、政府の安全を図る」
「承知いたしました。つきましては、全兵力との理解でよろしいでしょうか?」
幕僚長が質問した。可能な限りとの言葉の意味を詳らかにしたい模様である。
「いや、そうではない。――主計監」
指名された糧秣補給実務の責任者は、即座に反応した。
「はい」
「今から指示する地点において、現地で収集できるだけの糧秣で養える兵力を計算せよ」
「承知いたしました。地点を伺えれば、直ちに作業に取りかかります」
「計算のため、半日時間を与える。――幕僚長、主計監の計算した兵力をもって、明日夜明けと同時に城を出発する。左様に各部隊へ予令を出せ。作戦幕僚は、主計監の数字に基づいて、部隊を編成せよ」
「ははっ」
「承知いたしました」
幕僚長と作戦幕僚は、簡明な答えを返した。




