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 ネイザーラント軍の銃兵が下がったのを好機と見たイスハニア軍の連隊長は、勝利の時が来たと思い、前進を督励した。だが、姿を現したネイザーラント軍のキャノン砲を見て、一瞬、状況の変化に着いていけなくなった。

 轟音を伴って砲弾は砲口を飛び出し、金属の球がイスハニア軍の隊列の正面に襲いかかった。砲弾は、イスハニア軍のテルシオ内の兵をなぎ倒し、兵の手足を切断して通り抜けた。

 イスハニア軍の陣内を、驚愕と戦慄が駆け抜けた。

「隊列を立て直せ!」

 何が起きたか、当初わからなくなった連隊長は、短時間ののち命令を発し、攻撃の再興を試みた。

「続けて撃て!」

 ネイザーラント軍の砲兵が、第二射を放った。そのなかの一弾はテルシオの本営を直撃し、連隊長の首から上をもぎ取った。

 ◇◇

「何だと!」

 伝令から届けられた報告に、スピノラは度肝を抜かれる思いだった。キャノン砲を、密集隊形のテルシオのなかに撃ち込むという、想像だにしなかった敵の策によって、新規の、そして最後のテルシオは壊乱状態に陥ったとの報告だった。

 ――やられたか!

 またしても、という感情が湧き上がった。知力を振り絞って戦いを続けてきたつもりだったが、それすら凌駕する知恵を敵は持っていたらしかった。

「先頭のテルシオを引け。態勢を整理するのだ」

 スピノラは、落ち着きを取り戻すと、部下に命じた。新たな策を講じる必要性を感じた時、ブラッセからの騎馬伝令が到着したとの、別の報告がもたらされた。

「司令官閣下、国王陛下が崩御なされました。新王陛下よりの勅命でございます」

 そう言って、参謀長が勅命を司令官に差し出した。到着した勅命の内容は、スピノラをして一時、驚愕と落胆をせしめるものであった。

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