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22

 企図を伺われた側には、当然目算があった。

 スピノラは、掘り進められていく塹壕を見て、満足げに部下に問うた。

「あと、どのくらいで敵の陣地に到達する?」

 参謀の一人が、懐から取り出した紙にペンを走らせて簡単に計算し、

「五日もあれば、十分でございましょう」

 と答えた。

「そうか。それまで、兵たちには交代で休養を取らせておけ」

 ……

「各塹壕の先端は、敵の柵目前に到達しました」

「そうか、わかった」

 スピノラは、参謀長の報告に対して、満足そうに頷いた。そして彼は、本営を置いた天幕を出た。ブレダー城の方に視線を向けると、一〇本だった塹壕が、その先端を概ね三ヶ所に集中させていた。

 一〇の経路で、安全に自軍の歩兵を敵の面前まで到達させることができるようになったわけである。

もちろん、ネイザーラント側も手を拱いて見守っていたわけではない。塹壕が近づくに連れて、マスケットの射撃を先端に集中させ、工事の邪魔をするようになった。

 だが、はかばかしい成果はなく、ネイザーラント軍の陣地の目前まで通路が築かれた。

「では、始めようか。――各部隊を配置に着けろ」

 スピノラは、側に控えている参謀長に命じた。

まず、鍵縄を手にした工兵を先頭に、続いて擲弾を携えた歩兵が、塹壕のなかで列を作り、ブレダー城全面に向かった。マスケットの射程外では、テルシオが戦闘準備を整えて、前進の命令を待っていた。

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