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 メレヘンという街道上の小村の付近で、ネイザーラント軍はイスハニア軍と対峙した。ネイザーラント軍は約一万五〇〇〇。一方のイスハニア軍は、約一万八〇〇〇と見られた。アンベルス攻略戦時の損害と、占領地確保の兵が差し引かれたものと推定された。数的には、まず互角と見られた。従来式の戦法で、撃破できない相手ではなかろうと思われた。

「敵は、司令官が代わったと聞いたが」

 ダイゴは、情報幕僚に質問した。それは、確認の意味もあった。

「はい。ベニート・スピノラという将軍でございます。前任地はフランクで、フランク派遣軍副司令官だったと報告されております。従来、攻城戦に長けた指揮官であるとのことです」

 ダイゴは頷いた。

 攻城戦に長けている、か。では、野戦ではどうか?

 本営から西の方を見ると、かつてのトゥルンハウトの時と同じように、四個のテルシオを菱形に配置している。同じ戦術で挑んでくるつもりであろうか?

 ダイゴは胸騒ぎがした。新任の敵司令官が、過去の敗北から何も学ばない人物であれば、問題はない。今度も勝てるだろう。だが、前回の一連の作戦から二年が経過している。この間、敵がただ時間を潰していたとは思えなかった。

「総司令官代理閣下、敵の前進が始まりました」

 アルテュールが声を上げた。

 ダイゴは、今回も鶴翼の陣で迎え撃つつもりだった。敵が何かしら策を講じていたとしても、それがわからないうちは、常套戦術を採るしかない。

「両翼の大隊に前進命令を」

 ダイゴの命令を承った作戦幕僚は、伝令たちに指示を出した。

 戦場音楽が近付いてくる。

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