表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/85

「そうか、敵はブレダー城に入ったか」

「はい。運河には何隻もの運搬船が入り、糧秣を陸揚げしている模様であるとのことです」

 ブレダー城周辺に配置した間諜からの情報に、スピノラは自分の読みが当たったことを満足に感じた。

 ――戦術は戦略に従属する。而して、戦略は、兵站に従属する。

 戦争は、国家の決定した目的を達成するためにおこなわれる。だが、それは兵站が許容する範囲内でおこなわれなければならない。戦争がキャンバスだとすれば、兵站は絵具である。いかなる国も、絵具は無限ではない。手持ちの絵具で絵を描き切れるだけの広さに、キャンバスの大きさを留める必要がある。持っている絵具の量では絵を描き切れないほど大きいキャンバスを選ぶのは、へぼ画家のすることである。

「敵は、糧秣を補給したのち、我が軍に向かって決戦を挑むものと愚考いたします」

 情報参謀の意見は、愚考ではなく、当然に導き出せる結論であった。

 ――頃合いはよい。

 スピノラは参謀長に命じた。

「アンベルス市街に火を放て。間違えるな、市街地のみだぞ」

 港湾に隣接する倉庫群は、今後の作戦において重要な兵站基地になる。焼いてはならない。低地軍を誘き出すには、市街地から煙を立てれば十分なのである。

 数日して、スピノラの本営に低地軍が動き出したとの情報が報告された。

「今から我が軍が行動を開始して、会敵予想地点はどこになる?」

 との司令官の問いに、情報参謀は地図上を指して、その地点の名称で答えた。その地の名を、メレヘンといった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ