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 イスハニア軍は四個のテルシオを巨大な菱形に配置して前進してくるようだが、ネイザーラント軍は正面に二個大隊を配置してこれを迎え撃つ一方、両翼に各四個大隊を展開させ、敵の側背に向かって機動させる作戦であった。この際、心配なのは敵の両翼を掩護する騎兵だが、これは既に低地の騎兵が戦場外に駆逐していた。

 ハンス・ミューレンが、陣形の中央に位置する大隊で指揮を執っていた。ハンスは、飛びくる敵弾をものともせず、大隊の中央で号令を発し続けた。

「右側マスケット兵第一列、負傷一〇名!」

 報告を受けた彼は、即座に命じた。

「後方に下げさせて待機させろ。以後は二列目から一〇列目だけで射撃だ!」

 射撃音と火薬の煙は、ますます盛んになっていく。射撃の度に身体に被弾して倒れていく兵の数は、明らかに敵の方が多かった。

 ハンスは叫んだ。

「気張れ! 今が勝負時だ!」

 ◇◇

 正面の大隊に派遣していたアルテュールが、馬を飛ばして戻ってきた。

「正面の敵の前進が止まりました。味方の損害は軽微です!」

 副官の報告に、ダイゴは、

「どうやら、上手くいきそうだな」

 と呟いた。頬が緩んでくる。このあと、リーセロットに戦勝を報告できる場面を想像してのことである。だが、短時間ののちに気を引き締めた。指揮下の将兵は今この瞬間にも傷付き、死んでいるのである。

「両翼の各大隊の前進を急がせろ。敵を包囲するんだ」

 伝令が、何度目か、前線に向かって馬を駆った。家康を範とした鶴翼の陣は、今回は成功を収めつつあった。

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