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プラトニック

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

恋愛です。R15です。

苦手な方はご注意下さい。


何一つ一致しないのは、私が作っているから。

数多の人間が行き来する大都会で、人の声に飲まれるようにして、ただ端的に愛言葉を吐いた。手を握って耳元で囁く様にして、『お前が好きだ。付き合いたい』と。

すると握っていた手はすり抜けて、女が真正面から振り返る。

「君のことは、好きだよ。ずっと一緒に居たいと思っているよ。会えないと寂しいと思うよ。でも……キスとか、それ以上の事を想像すると、多分、吐いちゃう。

……頭おかしいんだよね。何度も何度も官能小説読んで、慰めて、清らかさなんて無い癖に、いざ手を出されるときっと、全てを持って拒絶すると思う」

これが長らく共に過ごして、恋心を伝えた相手の返答だった。

「……暫くお前と二人だけで話がしたい」


真っ暗なカラオケボックスの中で、私達は横並びになって座っていた。相手は私に触れて来なかった。触れて来たのは喧騒の街で愛を囁いた時だけ。

だからまた、今一度考える事にした。相手との関係を見極める事にした。

欲はある。間違いなくある。見てきた官能小説は数しれないし、サムネに流れて来たら必ず目を通す。夜な夜な自分で慰めて、弛緩するなんてザラだった。

でもその対象が自分に鳴った途端、それが物凄い嫌悪感へと変貌する。悦楽を通り越し、不快に豹変する。それは自傷、他傷にまで及ぶ所まで想像した。

何一つ折り合いが付かない。脳内は淫らの癖に、体は潔癖だった。その矛盾点が多大な自己嫌悪を齎した。

「触れられるのが……嫌なのか」

彼は少し詰まった様な声で問い掛ける。多分、傷付いたんだと思う。

「……うん。大好きな君だけじゃないよ。家族、友人も、実はあんまり触られたくない。その癖、自分で触るのは好きなんだ。訳分からないんでしょう?」

予測不能な接触は、それだけで脳に欠陥を齎す。それを排除する為に、きっとどんな事でもしてしまう。刃を突き立てる事だって有り得る。

「『キスも、それ以上もしない恋人なんて、友人と何ら変わらないじゃん』って皆も言ってたし、ネットでも見た。私もそうだと思う」

その癖、君が離れてしまうのは嫌なのだ。誰と付き合っても構わない。キスしても、それ以上の事をしても構わない。でももう会えず、連絡さえとれなくなるのは嫌なんだ。きっと夜毎に泣いてしまうくらいには。

それは……別に恋人じゃなくても良い。なる必要はない。互いが傷付かない為にはそれが良い。

「……俺以外に付き合う事を考えた事は?」

「ない。有り得ない。100ない」

此処までしっとりと重い感情を向けたのは、きっと君が初めてだ。だからこそ、申し訳ない。

「じゃあ、触れない条件で付き合おうか」

横目で彼を見ると、真っ直ぐ此方を見詰めていた。射貫く様に、刺し抜く様に。

「ジジィになっても待ってやる」

私には全く分からない感情なんですが、

本当にガチで好きだからこそ、愛欲がない。

という事も有り得るのかなと思って見返してます。


小説の中の人物達って、実在の人間じゃないじゃないですか。

だから行動の予測は出来ても、本質的な嫌悪はきっと抱かないのでは無いかと。

だからきっと心の何処かで使い捨ての道具として扱っている気がしなくもありません。


想像って本当に好きに出来ますからね。

実物とはやっぱり違うんです。どんな感情を抱いて、どれ程の衝撃を受けるかとか。

多分とそのキャパとの乖離が嫌悪感を生み出しているんじゃないかな。



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