雷撃龍に会いました
今回は雷撃龍との出会いの話です。
魔物討伐中に森の中で道に迷ってしまった。
「あれ、保存食が切れてしまった」
迷っている内に保存食を切らせてしまった。
「何処かで獲物を狩るか、木の実でも調達しないと不味い」
このままでは飢死してしまうので、一生懸命に獲物と木の実を探した。
「駄目だ、獲物も木の実も見つからない」
しかし獲物も木の実も見つからなかった。
「お腹が空いて、もう動けない」
「ドサッ」
いよいよ餓死寸前になった時、空から大きな物体が落ちてきた。
「尻尾だ、お肉だ、頂きます」
大きな尻尾が落ちてきたので、直ぐに食べ始めた。
「美味し、く、苦しい、気持ち悪い、身体が熱い」
その尻尾は生でも美味しくて、一心不乱に食べていたら、体調が急変してしまった。
「あぁ、苦しかったが、楽になったみたいだ」
激痛が数時間続いたが、やっと楽になった。
「おい、そこの人族。我の尻尾を見なかったか。飛行中に尻尾が生え変わり、この辺に落下した筈なのだが」
とても巨大な龍が現れて、尻尾を見なかったかと尋ねてきた。
どうしよう。
正直に白状するべきか、誤魔化すべきか、選択を迫られた。
「ごめんなさい。空腹だったので、私が食べました」
バレた時が怖いので、正直に白状した。
「・・・・」
ジト目で見つめられて、恐怖に包まれた。
「我の尻尾を食べるとは、随分と度胸のある人族だな。実は我の尻尾の肉は猛毒なのだが、死ななかったとは頑強な身体を有しているのだな。気に入ったぞ。そなたの名前を教えろ」
「ヨワイナです」
激怒するかと思ったのに、逆に気に入られてしまったみたいだ。
「我は神龍族の雷撃龍だ。ヨワイナに我の加護を授けよう。加護によって雷属性魔法と身体に雷属性が付加される」
私の身体に物凄い量の魔力と雷属性魔法の知識が流れ込んでくるのを感じた。
「ありがとうございます」
「令を言うのは早い。我がヨワイナに修行をつけてやろう」
「お願いします」
雷撃龍から修行をつけてくれると言われたので、私は直ぐに受け入れた。
「先ずは雷属性を身体で感じる事が大事だ。我の手を握れ。ヨワイナの身体に軽く雷を流してやる」
「きゃああああ」
私が雷撃龍の手を握ったら、身体中に感電したような痛みが走った。
「それが雷属性だ。その感覚を良く覚えておけ」
今のが雷属性なのか。
感電死するかと思った。
全然駄目だ。
少しも雷属性を制御出来ない。
「雷属性を制御するにはイメージが大事だ」
雷撃龍がアドバイスしてくれたので、イメージトレーニングする事にした。
次回は雷撃龍との修行の話です。