成長しました
第二話を投稿します。
異世界転生したのはローズ帝国バグデス辺境伯家の長女ヨワイナだった。
家族は父親のヨワイトモ、母親のビッチヨネ、兄のヨワインダの三人だ。
しかしビッチヨネはヨワイトモの浮気を知って、別居すると宣言して、帝都で暮らしている。
それにしても本当に変な名前だな。
「ヨワイナよ、良く聞け。我々バグデス辺境伯家は誰よりも強くなければならない」
どうやらバグデス辺境伯家は強さを重視する方針みたいだ。
しかし赤子に何を吹き込んでいるんだ。
「よって暗闇の恐怖を克服する為に地下室で暮らせ」
赤子なのに暗闇の恐怖を克服する為に太陽光が届かない地下室に閉じ込められた。
バカオヤジ、赤子をこんな地下室に閉じ込めるな。
頭には脳ミソではなく、スライムでも詰まっているんじゃないのか。
それとあの駄女神、とんでもない家に転生させてくれたわね。
覚えていなさいよ。
「お前は三歳になった。よって筋肉強化の訓練を行う」
三歳になったら、筋肉強化の訓練をさせられた。
「訓練内容は腹筋を百回、腕立て伏せを百回だ」
しかも腹筋百回、腕立て伏せ百回、信じられないメニューをいきなりやらされた。
〖クソオヤジ、三歳児に筋肉強化の訓練なんかさせるな〗
「はぁ、はぁ、やっと終わった」
「おい、まだ八十回しか終わっていないぞ。数も数えられないか」
百回終わらせたのに、クソアニキが言いがかりを付けてきた。
ニヤニヤとイヤらしい笑顔をしやがって、お前こそ数を数えられないじゃないのよ。
仕方なく二十回を追加した。
「お前は六歳になった。よって武器の扱い方を教える。得意な武器を選択しろ」
六歳になったら、武器の扱い方を雑に教えられた。
単に剣、槍、弓、斧、鞭、各々の武器をいい加減に実演しただけだった。
〖アホオヤジ、六歳児なんだから詳しく扱い方を教えろ〗
「ヌンチャクを選びます」
私は最終的に鋼鉄製のヌンチャクを選択した。
「お前は九歳になった。よって魔物討伐に同行せよ」
九歳になったら、魔物討伐に同行させられた。
〖ゴミオヤジ、九歳児を魔物討伐に同行させるな〗
ハッキリ言って、恐怖で漏らしそうになった。
「お前一人でゴブリンを討伐しろ」
「分かりました」
最初に討伐した魔物はゴブリンだったが、ヌンチャクで殺した時の感触が余りにも気持ち悪くて、胃の中の物を全て吐いてしまった。
十二歳の誕生日に駄女神から説明された通りに瞬間回復と状態異常無効と進化の固有スキルを得た。
瞬間回復は生命力と体力と魔力を一瞬で完全に回復させるスキル。
状態異常無効は即死、毒、石化、呪いなどの状態異常を全て無効化するスキル。
進化は上位種族に進化するスキルとしか分からない。
進化条件やどんな上位種族に進化するかは全く不明だ。
おそらくエルフ、ヴァンパイア、サキュバス、ドライアド、デーモンのどれかだと思う。
「お前は十二歳になった。よって単独で魔物討伐をせよ」
「分かりました」
十二歳になったので、単独で魔物討伐させられる羽目になった。
〖クズオヤジ、十二歳児に単独で魔物討伐させるな〗
次は雷撃龍との出会いの予定です。