魔王に拉致されました
今回は魔王に拉致される話です。
「おお、新たな勇者の召喚に成功した」
「大神官様、おめでとうございます」
「これでローズ帝国を侵略出来ますな」
「国王陛下もお喜びになります」
リリー王国の大神官と神官達は勇者召喚の成功を喜んだ。
「此処は何処だ」
余は魔王ゾル。
愚かにも余を討伐しようとした勇者を返り討ちにしたのを祝う宴の最中だった筈だ。
「勇者様、リリー王国にようこそ」
「勇者だと。余を勇者と呼んだのか」
よりによって勇者呼ばわりするとは、万死に値する愚行だ。
貴様達に恐怖と絶望を与えてくれる。
「ぎゃあああ、し、四肢が無い」
「勇者様、何をなされるのですか」
「ご乱心されたのですか」
「正気に戻って下さい」
魔剣デスカリバーを召喚して、余を勇者呼ばわりした愚か者達の四肢を斬り捨てた。
「お前、何をしている」
「直ぐに暴挙をやめろ」
「さもないと俺達勇者が相手だ」
コイツらがこの世界の勇者達なのか。
雑魚ばかりではないか。
「ひいいいい」
「いやぁああ」
「うわあああ」
勇者全員の四肢も斬り捨ててやった。
「この世界の情報を吐いて貰おうか」
この国はリリー王国という国で、ローズ帝国という国を侵略しようとしたが、仮面を装着したローズ帝国の暗殺者一人に勇者全員が行動不能な状態にされてしまい、戦力増強の為に余を召喚したらしい。
たとえ雑魚とはいえ一人で勇者全員を倒すのとは、かなりの強者だな。
その暗殺者に興味が湧いたので、ローズ帝国に向かうとしよう。
「おい、貴様にローズ帝国への道案内を命じる」
まだ四肢を斬り捨てていない者を探したら、怯えている女神官が居たので、ローズ帝国への道案内を命じた。
「な、何なの。この強大な魔力は。リリー王国の勇者達なんかとは次元が違い過ぎる」
強大な魔力を有する何者かが帝都に現れたのを感知して、恐怖の為に全身が震えてしまった。
「あのイケメンよね」
千里眼で魔力の持ち主を観察したら、若い女神官と一緒にいるイケメンだった。
どうやらリリー王国の勇者達を倒した仮面の強者つまり私を探しているみたいだ。
リリー王国の連中は本物の勇者召喚に成功したのか。
取り敢えず仮面を装着後に帝都の外に移動して、帝都内に闘気を放ち、勇者達を誘き寄せた。
「余は魔王ゾル。貴様が一人で勇者全員を倒した仮面の強者か。見事な闘気だな」
勇者ではなく魔王だった。
魔王を召喚するなんて、リリー王国の連中は一体何をやっているのよ。
「まだ少女ではないか。益々興味が湧いた。名前を名乗れ」
あっさりと少女だとバレてしまった。
「ハルカよ」
「ハルカか。良い名前だな。貴様を特別に余の宮殿に招待してやろう」
「絶対にお断りよ」
「拒否は認めん」
突然私の身体が不気味な光に覆われた。
「此処が魔王の宮殿なの」
抵抗する暇さえ与えられずに魔王ゾルの宮殿に拉致されてしまった。
「リリー王国に戻っても、国家反逆罪で処刑されてしまうし、ローズ帝国に残っても、敵国のスパイとして疑われるだけだし、これからどうしたら良いのよ」
その頃一人残された女神官は途方に暮れていた。
次回は魔界の勇者と決闘する話の予定です。




