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勇者は脱走しました

今回はリリー王国で召喚された勇者が脱走する話です。




俺は運河内人うんがないと

地球から異世界に召喚されてしまった学生の一人だ。

俺達を召喚したのはリリー王国の連中だ。

「勇者達は愚か者だよな。自分達がローズ帝国を侵略する為の道具として召喚されたのも知らずに、必死で訓練をしているんだからな」

「まったくだぜ」

俺は衛兵達の会話を偶然にも聞いてしまった。


「皆、聞いてくれ。リリー王国の連中は俺達を戦争の道具にするつもりだよ」

「お前、何を言ってるんだよ」

「気が狂ったの」

しかし他の学生達は俺の言葉を信じてくれないばかりか、殺人狂のような言動をするようになった。

まるで洗脳されてしまっているようだ。

仕方なく一人で脱走する決心をした。


「逃がすか」

「絶対に捕まえる」

「つ、捕まってたまるか。必ず逃げきってやる」

野外訓練の際に衛兵達の隙を突いて、深い森の中に逃げ込んだが、直ぐに気付かれてしまった。


「はぁ、はぁ、はぁ、何とか逃げきれたな」

何とか逃げきって、無事に国境を越えて、ローズ帝国に入国した。


「バグデス辺境伯様、リリー王国がローズ帝国を侵略する為に勇者達を召喚しました」

バグデス辺境伯にリリー王国の企てを報告したら、直ぐに帝都に連行されてしまった。

そして皇帝に謁見させられてしまい、再度リリー王国の企てを報告した。


「リリー王国で勇者召喚が行われたという情報がリリー王国を脱走した勇者の一人から報告された」

皇帝から勇者召喚の事を伝えられた。

「勇者召喚ですか。勇者は強いのですか」

「それは分からん」

「はぁ、そうですか」

急速に興味を失ってしまった。

「興味を失ったみたいだな」

「そんな事はありません」

「報告では勇者は地球という世界から召喚されたらしい」

「・・・・地球からですって、本当ですか」

「地球を知っているのか」

思わず動揺してしまった。

上手く誤魔化さないと不味い。

「詳しくは知りません。旅の商人から地球という異世界があるという噂を耳にしただけです」

「そうか」

「それでリリー王国が勇者召喚した事がそんなに大騒ぎする程の事件なんですか」

「これは機密事項なので、他言無用に頼む」

「分かりました」

「実はリリー王国は我が国との戦争の為に勇者召喚を行ったらしいのだ。以前から我が国の政策を不満に思っていたんだ。そして遂に侵略戦争を決意したらしい」

「侵略戦争なんて赦せません。私がリリー王国に潜入して、勇者に制裁を加えてやります」

「まぁ、待て、報告によると勇者は十代の若者が三十人以上居るらしいのだ。それに今の処は訓練中らしい」

「十代の若者が三十人以上ですか」

おそらくクラス単位で召喚したのだろう。

しかし訓練中なら私一人でも対処出来る。

「問題ありません。私一人で対処出来ます」

「いくら何でも一人では無理だろう」

「訓練中なら大丈夫です。お任せ下さい。勇者全員を必ず始末します」

「それほど言うなら、そなたに任せよう。但し絶対に無理はするなよ」

「はい」

こうして勇者達を制裁する為にリリー王国に潜入する事になった。


次回はリリー王国の殺人狂勇者達を行動不能にする話の予定です。

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