表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
完結●黒影  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

81/245

ひまり先輩の報告

「さて。ここで起きたことを木ノ花教官に報告します。十五時四十三分、全長約十二メートル幅約三メートルの巨大蛇型の黒い影と瀬織津子が交戦。巨大蛇型の黒い影は陰陽頭の結界をいくつも破ってここに到達したため、満身創痍でしたが、瀬織津子の血の結界攻撃に六回耐えました。そして自身の血を人型に変え、逃げ遅れた参拝客の女性のふりをして、新入隊員を鳥居の外へ誘導。刀型に変形させた腕で、鳥居から飛び出した天野狭霧の首を切り落とそうと攻撃。そこへ陰陽頭が駆け付け、術式を行使。時の流れを緩やかにし、人型の影の血の頭部を蹴り、攻撃を阻止。天野狭霧の救出に成功します。ただ、血の結界に触れてもなお、浄化されていない黒い影の血……通称影の血に、天野狭霧が触れていたことから、陰陽頭はすぐに浄化を行いました。時の流れが緩やかだったこともあり、天野狭霧は浸食をまぬがれました。陰陽頭が蹴った人型の影の血の頭部、及び体は瀬織津子の二回の攻撃で消失しました。これでここに現れた黒い影は完全に消失。以上です。皆さん、これで少しは落ち着けましたか?」


「なるほど。ひまり、わかりやすくありがとう。天野くんは気絶しているけど問題ないわけね。でも一応また医務室で検査はしないとね……。それで町の方はどう?」


「まだ混乱が続いていますね。十一か所の結界が破壊されているので、今、陰陽頭が応急措置を施しています」


「一般人の被害は出ていない?」


「はい。町の入口の第一結界に異常が発生した時点で、一般人に配布されている護符が起動し、強制避難が始まりました。第一結界の突破までには三分。その後、第二~第十一結界、そのすべてが突破されるまでに、避難はほぼ完了していました」


「第一結界を突破しただけでも驚きなのに、しかも三分……かなりの強敵だったのね。陰陽頭は敵について何か言っていた?」


「私に対しては何も。ただ熱田大臣と連絡をとられた際、『敵はただの黒い影ではない。わしは神社に一旦向かうので、くれぐれも用心してほしい』と仰られるのを聞きました。蛇足ですが、私の目で見ても合致するデータがなく、解析不可能でした」


「そうなのね……。リツコの攻撃への耐久を考えても本当にこれまでの黒い影とは格が違うわね……。あ、町の方の建物の被害は?」


「建物の被害はそれほど出ておりません。蛇型でしたが、地上を進むのではなく、竜のように空を飛んでいましたので。その代わり、町中に影の血をまき散らされてしまったので、だん先輩が浄化を行っています。ただ、範囲が広いため、洩矢くんの神降ろしで清めの雨をこの後降らす予定です」


雨降ろし(あめおろし)は数分以内には始まるわよね?」


「はい。始まる前に事前警報と、開始警報が鳴ると思います」


「分かったわ。私たちは拝殿へひとまず避難する。ひまりは?」


「私は陰陽頭の代理で熱田大臣のところに行きます」


「そう。くれぐれも気を付けてね」


「はい」


「さあ、拝殿へ行きましょう」


この投稿を見つけ、お読みいただき、ありがとうございます。

この後、洩矢先輩の雨降ろしが始まります。

引き続きお楽しみください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ