表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
完結●黒影  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

74/245

ノンストップで三時間

「神の力の発現も大切だけど、天の羽衣を着て空を飛ぶために、全身を鍛えることも、同じぐらい重要よ。空を飛んでいる時って、結構全身の筋肉を使うらしいの。まあ飛び方にもよるみたいだけど。例えば腹筋が鍛えられていないと、スーパーマンみたいな感じで地面と水平に飛べないらしいわ。鍛えていないと、だいぶ笑える飛び方になっちゃうみたい」


「えええ、陽菜、かっこよく飛びたい。飛び方の練習、しますよね⁉」


「安心して。訓練施設、中央のホールが吹き抜けていて、階段状に板が張り出していたでしょう。あれは人間版キャットウォークというか、ジャンプを練習しつつ、飛び方を練習する場所だから」


「なるほど!」


訓練施設の天井構造については三人とも疑問に思っていたので、ようやくスッキリした。


「洩矢先輩はプールで泳いでいることが多いんですよね。一つのスポーツを極め、集中力を養うというのはありですか?」


もしそれでいいなら俺はとりあえず柔道の道を極めて神の力を発現させようと考えた。


「基本的に黒影の隊員にはスタミナが必要だし、黒い影との戦闘では運動神経も必須よ。体力作り、運動神経全般を鍛えないとだから、一つだけ、っていうのはないかなぁ。神の力だけを発現させるなら、それもありなのかもしれないけど」


「っていうか、蓮~、空を飛ぶのに全身を鍛える必要があるって木ノ花先生言っていたよ~」


陽菜のツッコミに俺は「ああああ、そうだった!」と思わず叫ぶと狭霧と木ノ花先生がクスクス笑った。


「ちなみに翔くんはね、プールにいる割合が高いけれど、他のトレーニングもちゃんとしているのよ。それと翔くんがプールにいる理由は、神降ろしと関係しているの」


「?」


三人とも首を傾げた。


「翔くんとえにしがある神様は、よっぽど相性がいいのか、一時的ではなく、結構長い時間、翔くんと一緒にいるみたいなの。寝ている時とか気づいたらいない時もあるらしいのだけど。神降ろしは基本的に一時的に神が権能として持つ力を借り受けるものだけど、翔くんの場合はとっても特殊。もちろん黒い影と対峙する時にも力をかしてくれるけど、それに加えて、翔くんのそばで人間界の暮らしを楽しんでいるというか、観察しているというか。これまた陰陽頭曰く、相当珍しいことらしいわ」


元々人間好きな神なのかもしれないな。


「でね、その神は雨を降らすのが好きらしくて、頻繁に翔くんに雨を降らすか聞くらしいの。梅雨でもないのにそう頻繁に雨が降っても困るから、遠慮していたのね、翔くん。でもだんだん断るのが申し訳なくなって、悩み相談に来たのよ、私のところに。それで私も答えが分からないから、陰陽頭を訪ねたら、雨を降らすのはもちろん、水があるところに身を置くとその神は安心するんじゃないかって。それで翔くんは時間を見つけてはプールに行ったり、あとお風呂ね。毎日一時間はお風呂に入っているみたいだけど、そうしたら雨を降らすかと聞かれることもなくなったんだって」


「へぇ~。面白い神ですね~」

「神がそんなに長く一緒にいるってスゴイな」


木ノ花先生のこの話を聞いた陽菜は感心し、俺は驚いていた。


一方、狭霧は勉強熱心な反応を示した。


「こんな話を聞くと、神降ろしのやり方が気になってきました」


この言葉に木ノ花先生は驚いた顔をした。


「天野くんは本当に好奇心旺盛ね。それにみんな、すごい集中力。気が付いていた? もう十一時半よ。ノンストップで三時間」


「うわぁ、本当だ。俺、急に腹が空いてきた」


「わぁ~、集中力切れたら、ひ、陽菜、トイレ、行きたくなってきた」


「陽菜、今すぐトイレに行って」


木ノ花先生に言われると、陽菜はダッシュで教室を出ていった。


「陽菜が戻ったらみんなでお昼休憩に行ってね。午後は十三時から開始よ」


「はい、ありがとうございました」「ありがとうございます」


木ノ花先生は「しっかり休んでねー」と手を振って教室を出て行った。

この投稿を見つけ、お読みいただき、ありがとうございます。

午後の講義では神降ろしからスタートです。

引き続きお楽しみください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ