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完結●黒影  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中


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戦闘服の秘密

「春秋先輩っていい人なんですね。歓迎会の印象では超怖い人で陽菜は絶対に仲良くなれないと思ったけど、話してみたくなりました! でも共通の話題、あるかなぁ」


「共通の話題ね……。あ! 春秋さんもファッションに興味があると思うわ」


木ノ花先生の言葉に陽菜の瞳がまた輝いた。


「本当ですか!」


「春秋さんのお姉さん、春秋竜美のことを、私や紬はタッツーって呼んでいたの。そのタッツーもファッションが大好きで、着物を使って洋服を作る特技を持っていたのよ。古い着物や端切れを使ってワンピースやスカートを作るの。公休の時、よく一緒に服作りをしたわ~。懐かしいなあ。私が今も服を手作りしているのは、タッツーの影響ね」


「そうなんですね~。陽菜、タッツーさんに弟子入りしたいです」


「それでそのタッツーが、妹もファッションに興味がある、って言っていたの」


「ふうーん。そうなんですか。でも春秋先輩の任務中の服って、セーラー服ですよね~」


「そうね……。そう言えばタッツーは学生の頃、着物に袴だったけど、セーラー服を着たかったって言っていたわ。春秋さんももしかしたら同じ気持ちだったのかもね」


そう言ってから木ノ花先生は


「そういえば、隊服についての説明、してなかったわね。話してもいい?」


「はいっ!」


陽菜が嬉しそうに返事をした。


「寮の部屋のクローゼットに、隊服一式ということで、ジャージ、制服、戦闘服があったでしょ」


「ありました。用途としてはジャージが訓練、制服は普段着、戦闘服が任務中に着用、ですよね」


「天野くん、正解」


「戦闘服は……あれ、忍者ですよね」


俺の問いに木ノ花先生は「デフォルトはね」と言った後、こう続けた。


「あの装束は、『天の羽衣』なの。といっても本家本元の天の羽衣は京都のとある神社に保管されていて、隊員に支給されている天の羽衣は本家の羽衣から糸を一本だけもらって織り込んだものなの。その神社の巫女さんが毎年手作りしてくれているのよ。でね、この天の羽衣、すごいことが二つあるの。これは聞いて驚くはず。まずはその一、天の羽衣を着ると、空を飛べるようになります」


「えっ」「えーっ!嘘ぉ」「……!」


「そうそう、その反応。待っていたのはその反応よ~」


木ノ花先生はなんだか嬉しそうだ。


「飛べると言ってもそれはもちろん、神の力が発現した人達だけよ」


「……本当に飛べるんですか? 飛ぶって、ピーターパンみたいに?」


俺が尋ねると、木ノ花先生は「そうねぇ」と考え


「飛び方は人それぞれね。一番特徴的なのはひまり。彼女は昔のアニメーション映画を見てから魔女が好きらしいの。それで飛ぶときは箒にまたがるスタイルよ。別に箒に乗らなくても飛べるんだけど」


「それってもしかしてあの巨匠のアニメかな⁉ 陽菜も大好きです。子供の頃、赤いリボンをよく髪につけてもらっていました~。箒に乗って空を飛ぶなんて憧れます!」


「美鶴やだん君はスポーツスタイルね。あ、これは私の造語だけど。アクロバティックなのよ。宙返りしたり、背面飛びしたり、地面を大きく蹴ってジャンプしながら進んだり。美鶴なんてこのスタイルで二本の刀を使って攻撃を繰り出せるから、見ていてカッコいいわよ」


「……本当に、飛べるんですね」


狭霧が木ノ花先生の言葉にしみじみとつぶやいた。


「だん先輩といえば、パルクールだけど、あれは天の羽衣で飛んでいた、ということですか?」


俺の質問に「あー、それね」と言うと「コホン」と咳払いをして、先生風に(先生だけど)に説明を始めた。


「その話の前に、天の羽衣のすごいところ、その二。デフォルトは忍者装束だけど、着る人のイメージで、その色、形を変えることができるの」


「ええええ」


これは三人の声が揃った。


この投稿を見つけ、お読みいただき、ありがとうございます。

木ノ花先生がノリノリになってきました。

引き続きお楽しみください。

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