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完結●黒影  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中


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第三次討伐作戦~前哨戦~

そして、ついに第三次討伐作戦の決行日がやってきた。


この日は日曜日で、採掘場での作業も行われていない。だが早朝から採掘場は慌ただしい空気に包まれていた。


前日の夜、作業員が行方不明になった坑道に討伐部隊が入ることになっていたのだ。


坑道は奥へ長く伸び、狭くなっていた。武器の使用も考えると、中に入るのは三人がギリギリと考えられた。


さらに坑道には電気を通しているが、途中から電気がつかなくなっていた。松明を持って進むことになるが、薄暗い中での戦闘になる。


神聴覚もしくは神嗅覚、第六感が発現している隊員が求められた。


結果、沫那美先輩、夜見先輩、第五期入隊の鹿島かしま 建御たけみが選ばれた。


それぞれの武器は沫那美先輩が刀、夜見先輩が鎌、鹿島建御が石だった。


鹿島建御は、第五感及び第六感のすべての神の力が発現したが、第六感以外はすべて弱いか中程度という惜しい人材だった。


もちろんこれから鍛錬を積めば、さらに全ての力が強くなる可能性はあり、これからが期待されていた。


坑道での討伐活動は、前哨戦に過ぎなかった。そのため、頭領である天野はこの後の本戦に備え、出撃を控える形となった。天野頭領は坑道入口で残りの隊員と共に待機することになったのだ。


同行していた小笠原久光が、前日に駆け付けた陰陽師の封印を解き、三人の隊員は坑道へ入っていた。


三人が坑道へ入っていくと、すぐに冷たい空気が坑道の奥から流れてきた。その冷たさは待機している隊員たちの吐く息が白くなるほどだった。


五分、十分、十五分……。


入口で待機する隊員は固唾を飲んで見守った。


すると坑道の奥の方から大声で何かを指示する声、岩壁に石が当たるような音、金属音などが突如響きだした。


待機する全員の間に緊張が走った。


五分ほど経つと、すべての音が止んだ。


不気味なほどの静寂に皆、息を呑んだ。


それからの時間はことさらに長く感じたが、足音や話し声が聞こえてきた。


待機する隊員の間から安堵のため息が漏れた。


やがて坑道の電気が通っている場所に三人の姿が見えてきた。


待機する隊員たちが「やった」「倒したんだ」と口々に声をあげた。


坑道の入口に到着すると、沫那美先輩が天野頭領に報告した。


「黄泉の国の軍勢の討伐及び封印、完了しました」と。



坑道での討伐は無事成功した。


坑道の奥に到達する前に十人ほどの黄泉の国の軍勢がやってきて、三人は迎え撃つ形となった。


この十人を倒すと、さらに奥から数名が出てきた。


あきらかに坑道の奥に黄泉の国につながる入口が開いてしまっているとわかったので、沫那美先輩と鹿島建御が湧き出てくる軍勢をひきつけ、その間に夜見先輩が坑道の奥に行き、封印の桃の実を黄泉の国の入口に置くことに成功した。


残るはその場にいる軍勢の討伐で、三人は見事にそれをやってのけたのだ。


幸先のいいスタートに隊員の士気は上がった。


小笠原久光は坑道を封鎖し、第三次討伐部隊は本戦となる窃盗団の巣へ移動を開始した。


この投稿を見つけ、お読みいただき、ありがとうございます。

いよいよ第三次討伐作戦が始まりました。

引き続きお楽しみください。

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