第三次討伐部隊
だが、熱田尊は訓練を行う傍ら、第六期入隊の黒影の選別を進めていた。そして入隊予定の隊員は即戦力として期待される人材だった。
沫那美美鶴:子供の頃から弓道、剣道、合気道を習い、抜群の身体能力を誇り、家が代々神社の宮司を務めており、沫那美自身も巫女として神事に参加している。
春秋竜美:父は神学部の教授、母は仏教学者。家族で多数の神社やお寺を巡っており、信心深い。雅楽で舞を習い、巫女舞も習っている。
四尊夜見:家は代々お寺の住職で、自身も僧侶としての修行を受けていた。祈祷や祓いの経験あり。喘息の持病があり、体力面で不安は残るが、水泳では大会優勝も。
三名は入隊後の数回の訓練で神の力を発現。
沫那美美鶴は五感すべてと第六感を発現。
春秋竜美は神視覚、神聴覚、神触覚、神嗅覚。四尊夜見は神聴覚、神触覚、そして第六感が発現した。
神の力が発現した四尊夜見は持病の喘息も落ち着き、体力面での不安も払しょくされた。
こうして、神の力が発現し、身体能力、体力そのすべてが揃った選抜部隊が完成した。
熱田尊はこの選抜部隊二十名を表向きはあくまで黒影、だが内部では第三次討伐部隊とし、黄泉の国の軍勢を討伐する、第三次討伐作戦の任務にあたらせることにした。
そしてこの作戦を現場で指揮する頭領として、狭霧の父親が選ばれた。
熱田尊自身も隊員たちの訓練に参加し、既に発現していた神視覚に加え、神聴覚、神触覚、神味覚を発現させており、自らが作戦に加わり、黄泉の国の軍勢と戦うことも考えた。
だが、上層部との橋渡しや作戦全体を統括できる人材が他にいないことから、防衛本部での司令塔に徹することにした。
第三次討伐作戦の決行日も決まり、残り一か月を使い、第六期入隊の隊員三名、第五期入隊の七名、須虞那先生や天野頭領ら既存隊員十名が合流し、小笠原久光の指導の下、戦闘訓練を行った。
神触覚が発現した隊員は、それぞれが得意すると武器、銃、剣、刀、弓で黄泉の国の軍勢を倒すことができるようになっていた。
作戦遂行まで残り二週間となったとき、熱田尊の元に興味深い分析結果がもたらされた。それは京都から招いた小笠原久光以外の僧侶や陰陽師から提出されたものだった。
彼らは金剛お台場山での最初の異変、坑道で見られた女性のような形をした白い靄がなんだったのか、そして黄泉の国の軍勢がなぜ金剛お台場山に現れたのか、またこの二つに関連性があるのかを、現場に出向き、また目撃者にヒアリングし、文献や自身の持つ知識から分析していたのだ。
そして導き出された答えは突拍子のないものだった。
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作戦の決行に向け、着々と準備が進んでいます。
引き続きお楽しみください。




