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完結●黒影  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中


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随分早かったな

ひまり先輩は俺らを連れ、休憩室の外に出た。


「怪我はないか?」


沫那美先輩は俺たちを見ると、まずそう声をかけた。


俺と狭霧はお互いを見て、頷いた。


「はい、問題ありません」


声を揃えて答えた。


「ひまりも大丈夫なようだな」


そして目を細めて休憩室を見て「もう完全に消失している。さすがだ、ひまり」そう言ってから、端末で通話を始めた。


「沫那美です。今、現況確認をしましたが、負傷者ゼロ、消失を確認、問題ありません」


と報告を始めた。


「はい。ええ、そうです。一時的に現場を離れました。このまま私が寮まで、あ、はい。そうですか。随分早いですね。はい。では、私は持ち場へ戻ります」


沫那美先輩は通話を終えると、俺たちを見た。


「ひまりは戻ったら木ノ花教官のところへ行ってくれ。天津頭領は任務中だから報告は木ノ花教官に」


ひまり先輩は頷いた。


「蓮と狭霧、二人は四尊と一緒に医務室で検査だ」


「お待たせいたしました」


声の方を見ると、黒いバンが止まっており、二人の隊員とともに、夜見先輩がこちらに向かって歩いてきた。


「随分早かったな、四尊」


「はい。待機非番の身ですから、いつでも飛び出せる準備をしておりましたので。ふふ」


沫那美先輩は夜見先輩から視線をそらすと俺と狭霧を見た。


「では二人とも」


俺と狭霧はひまり先輩に御礼をいい、夜見先輩に従い、バンに乗った。


あの黒い闇……怪奇現象に遭遇すると俺たちは検査、一緒にいた先輩隊員は呼びだされ報告という流れが分かっていたので、俺も狭霧も静かに従った。


ひまり先輩は俺たちの電動自動車をバンに積み込む隊員を手伝い、自分は電動自転車で戻るといい、沫那美先輩と一緒に俺たちが出発するのを見送った。



「またあなた達なの?」


俺らを迎えた須虞那先生は目を丸くしていた。


驚きながらもてきぱきと指示を出してくれて、前回よりも早くすべての検査を終えることができた。リツコ先輩がいなかったのでスムーズに進んだ、というのもあるが。


「あ、狭霧くん、ちょっといい? マント」


検査を終え、医務室を出ようとした時、狭霧は須虞那先生に声をかけられた。


「あ、はい」


「今手元になくて取りに行ってくるから、前に案内したスタッフの休憩室で待ってもらえる?」


「分かりました」


狭霧はそう返事をしてから俺を見た。


「蓮、一旦部屋に戻って待ってもらえるかい? こっちの用事が終わったら連絡するよ」


「オッケー」


俺は返事をすると医務室を出た。


その時、ふと、電動自転車の貸し出し記録の処理をしていないこと思い出した。


倉庫の備品は端末をかざして貸し出しの記録がされている。


バンで寮に戻った時に返却の処理をしていないので、俺は端末をかざしに行くことにした。


倉庫に着き、中に入ってしばらく進んだところで、奥の方に誰かが中にいる気配がした。


黒く、暗い、深い、闇……。


全身に恐怖が走った。


落ち着け、落ち着け。

ここは防衛本部の倉庫だ。


そう、こんな場所であの闇、怪奇現象が起こるわけがない。


俺はなんとか深呼吸をして自分を落ち着かせ、もう一度、奥の方を見た。


なんだ、夜見先輩か……。


夜見先輩の独特の雰囲気が怪奇現象の黒い闇と似ているのは考え物だ。夜見先輩を見るたびにビクビクしていては話にならない。


俺は自分に活をいれ、電動自転車が置かれたエリアに移動しようとした。


その時。

この投稿を見つけ、お読みいただき、ありがとうございます。

その時、何が起きたのか⁉

蓮にとってプラスのことか、マイナスなことなのか。

その答えは……。

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