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完結●黒影  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中


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最適解

全身がみるみるうちに冷たくなった。


何が起きているんだ……?


目だけ動かし狭霧を見ると、青ざめた顔で周囲の様子を探っているようだった。


嵐の前の静けさのように音が消えた。


体は冷たくなっているのに、全身で汗をかいていた。背中を汗が伝った。


「伏せて」


突然ひまり先輩に言われ、俺は動かない体に活をいれ、テーブルの上で頭を抱えんでしゃがんだ。


すると床からものすごい勢いで、黒く、暗い、深い、闇が噴き出してきた。


俺は恐怖で身が竦んだ。


「動かないで」


黒い闇はまるで水のように噴き出して、天井にあたり、雨粒のように落ちてきた。


「分析完了。属性、水。風で対処します」


ひまり先輩がそう言った瞬間、俺らの体はまるで台風の目にいるような状態になった。


つまり、俺らの周囲で風が渦巻き、その中でさっき噴出した黒い闇がぐるぐる回っていた。結果、俺たちは黒い闇の雨に濡れずに済んだ、という状態だった。


「最適解、導きました」


ひまり先輩はそう言うと


「二人とも、私の足につかまり、決して離さないでください。絶対に、離さないで」


俺と狭霧は重い体を必死に動かし、ひまり先輩の足を両腕で抱きしめた。


「疾風迅雷、吹き飛ばします」


その言葉が終わるや否や、ひまり先輩を中心に全方位へ風が吹き出した。渦状になっていた黒い闇は一瞬で吹き飛んだ。


そこから数秒後


「消失確認」


ひまり先輩は続けて


「二人とも、もう大丈夫ですよ」


と言った。


さっきまでの状況が嘘のように、休憩室は俺たちが入ってきた時と同じままだった。


つまり、あの黒い闇は跡形もなく消えていた。


これってひまり先輩が撃退したってことだよな……?


俺が狭霧を見ると、狭霧も俺を見た。二人とも驚愕の表情を浮かべていた。


「二人ともテーブルから降りてください」


ひまり先輩に促され、俺と狭霧は恐る恐る床に足をつけた。


「今日は、町へは行けなさそうですね。残念ですが」


ひまり先輩がそう言って窓の外を見た。


そこには将校姿の沫那美先輩の姿があった。


この投稿を見つけ、お読みいただき、ありがとうございます。

次回、沫那美先輩に続き、もう一人、黒影の隊員が駆け付けます。

さて、それは誰でしょうか……?

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