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完結●黒影  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中


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訓練開始

訓練初日、陽菜は朝から心ここにあらずだった。一方、俺と蓮は怪奇現象を感知できるようになる訓練とは一体どんなものなのか知りたいという好奇心の方が勝っていた。でも実際に訓練施設に行くと、初日の訓練を担当するのは天津頭領。好奇心より緊張感が高まった。


しかし。


その日の訓練はストレッチから始まり、体操、筋トレ。昼食をはさんで午後はヨガ、プールでウォーキング。その後休憩をとると、木ノ花先生が金山の採掘場見学に連れて行ってくれて終了だった。


オリエンテーションで木ノ花先生は「教官ではなく、黒影の隊員が直々に指導する訓練があるそうよ。その内容は……私でも知らないのだけど」と言っていた。でも頭領自らが指導した訓練は、別に教官が指導してもいいものにしか思えなかった。


さらに翌日以降も前日とたいして変わらない訓練が続いた。


そして一週間が経ち、公休日がやってきた。三人揃って公休なのは嬉しかった。


この日は天気もよかったので、俺たちは朝食を食堂の外のテラス席で食べることにした。


「結局、今受けている訓練が、怪奇現象を見ることができる力を発現させるものなのかどうか、まったくわからないな」


俺の言葉に狭霧も残念そうに頷いた。


「ヨガは多少関係している気もするけど、それ以外は……」


「だな……。結局、木ノ花先生が言っていた黒影の隊員が直々に指導する極秘の訓練ってなんだったんだー」


「もー、二人とも暗い顔しないで。怪奇現象なんて見られなくても黒影の任務は務まるってことでしょ。陽菜の直観はずれて良かった~」


落胆する俺と狭霧に対し、陽菜はご機嫌だった。


それにしても狭霧、やけに浮かない顔をしているな。


「狭霧、そんなに怪奇現象を見る力が欲しかったのか?」


俺の問いに狭霧は苦笑した。


「それはないかな。前にも話したけど、怪奇現象は人為的に作られたり、錯覚したものだという考えは変わってないからね。それよりも、来週のどこかで病欠から復帰したリツコ先輩が訓練につく気がして……」


それは気が滅入るのも当然だ。


「あれー、そしたら春秋先輩が訓練につく可能性もあるね」


陽菜の言葉に狭霧は困り顔になった。すると陽菜は端末を操作し、顔を上げた。


「今日、阿曇先輩、公休だった。陽菜、ちょっと阿曇先輩に会いに行ってくる」


「えっ」


「もしかして僕のために……?」


「だって約束したでしょ。春秋先輩が狭霧のこと今どう思っているのか探っておくって。訓練に追われていたっていうのは言い訳になっちゃうけど、でも実際まだ阿曇先輩と話せてなかったから。それになんか阿曇先輩、町の方に行くらしいの。あっちはお店も沢山あるし、買い物もできる。それにほら、神社とかお寺もあるかもしれないでしょ。だから一緒に町へ行って、阿曇先輩に春秋先輩のこと聞いてみるよ。戻ったら連絡するね!」


すでに朝食を終えていた陽菜はトレーを持って立ち上がった。


「……陽菜、僕のためにありがとう」


「当然、仲間でしょ」


陽菜そういうと軽く手をふって、室内に戻っていった。


「陽菜、いいやつだよな」


俺の言葉に狭霧は頷いた。


「俺たちはどうする? 自主トレするか?」


狭霧はしばらく考え込んで


「陽菜に探りを入れてもらっている間に僕らだけ自主トレするのは気が引けるかな……」


「じゃあ、俺たちも町に行ってみる?」


狭霧が力強く頷いた。


この投稿を見つけ、お読みいただき、ありがとうございます。

陽菜は怪奇現象が苦手なようですが、皆さんはいかがですか?

筆者は自宅の1階にいて、寝るために2階へ行こうと立ち上がった時

後ろから着ていた服の裾を引っ張られ、「?」と振り返ったことがあります。

あれはなんだったのでしょうか。

怖さはなかったので座敷童だったのかもしれません。

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