表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
完結●黒影  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

142/245

第三の試練

ドサッと落ちた場所は堅く、受け身をとっていなかったら危なかった。


と同時に、「うわーっ」という叫び声と銃声、空気を切り裂く矢の音、石が地面に当たる音などが一斉に俺の耳に飛び込んできた。


瞬時にここがどんな場所か俺は理解する。


戦場……戦場のど真ん中だ!


俺は慌てて身を起こして周囲を見て驚愕した。


今まで見たことのない黒い影の数だった。

これこそが黄泉の国の軍勢……。

黒い影の大きさは様々だった。

大きいものは四、五メートル近くあった。


「もう、しつこい」


陽菜の声だ。


声の方向を目で探ると、少し離れた場所で陽菜が黒い影を相手に戦っていた。


陽菜、いつの間に……。


手にした鉈で次々と黒い影を倒していた。


「芽衣さん、振り向かず、とにかく走ってください」


狭霧の声だ。


俺の後方のちょっと遠い場所から、狭霧は剣を手に黒い影を薙ぎ払い、こちらへ向かって駆けてきていた。


そして赤ん坊を抱いた芽衣さんが、狭霧の後ろを必死に追いかけていた。


くぐもった唸り声に、俺は自分の周囲に黒い影が集まってきていることに気が付いた。


ものすごい数だ。


数の多さはもちろん、巨人のような黒い影に、あの恐怖が足元からこみあげてきた。


黒く、暗い、深い、闇が押し寄せてくる……。


これは――


鹿島建御が最後に感じた恐怖……。


武器を失い、なす術がなくなり、最後は沢山の黒い影に囲まれ、記憶を奪われていった鹿島建御の恐怖……。


いや、違う。


俺は足を踏ん張った。


「俺には武器がある。雷神よ、俺に力を―――」


天高く掲げた俺の指は神の権能を強く感じた。


「ここはお前たちがいる場所ではない。渦雷うずらい


俺を中心に竜巻が起こり、周囲にいた黒い影は上空へ巻き上がっていった。そして竜巻の中では雷が暴れまくっていた。


「きゃあ」


陽菜の悲鳴。


俺はすかさず指を天に掲げる。


「陽菜を守れ、雷獣らいじゅう


陽菜の声の方角に雷鳴が轟き(とどろき)、砂塵が舞い、そこには虎の牙、馬の体躯、狐の尾を持つ雷獣が現れ、黒い影に襲いかかった。


「蓮、さすがだ」


俺から少し離れた場所で、黒い影を薙ぎ払いながら進む狭霧が声をかけてくれた。


俺は返事をしようとして、息を呑んだ。


後ろを行く、芽衣さんの頭上に巨大な岩が飛んできていた。


「間に合ってくれ、帰還電撃」


芽衣さんの後ろに迫る黒い影の群れに、超高速で雷が落ちた。感電した黒い影がバタバタと倒れた。


雷は大地とぶつかり、反転した。


上空へ向かっていく雷のその軌道上には、あの巨大な岩があった。


高電圧の雷は放電時にものすごい衝撃波を発する。


この衝撃波が岩に直撃した。


岩は砕け、周囲にいた黒い影は岩の破片が直撃し、さらにバタバタ倒れた。


「黒雷さん、ありがとう」


芽衣さんが俺のそばを赤ん坊を抱き、駆け抜けていった。


良かった……。


その瞬間、体がぐらっと揺れ、俺は横たわっている状態で目覚めた。


この投稿を見つけ、お読みいただき、ありがとうございます。

蓮が闇に恐怖を感じる理由が明らかになりました。

引き続きお楽しみください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ