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完結●黒影  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中


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第二の試練

ものすごく熱い。


さっきまでびしょぬれだった俺の体と服はカラカラに乾いていた。


太陽が眩しい。


手の平に触れるこの砂の感覚……。


俺は上半身を起こし、ここが砂漠であり、斜面にいるのだと理解する。


後ろを見ると、数名の子供が倒れていた。


俺は起き上がると、砂に足をとられながらも子供たちに近づき、声をかけた。


全部で五人。みんな生きていた。


「兄ちゃん、喉が渇いた」


「とっても熱い」


子供たちが俺のそばに集まり、辛そうな表情を浮かべた。


近くにオアシスはないのか……?


「どこかに水場がないか探してみる。すぐに戻るからみんなはここで待っていてくれ」


不安がる子供たちをなんとかなだめ、俺は砂の中を歩き始めた。


さらさらした砂は足がめり込み、一歩踏み出すだけでも気力と体力を要した。


後ろを何度か振り返り、子供たちの位置を確認しながら、俺は斜面を登り切った。


見渡す限りの砂漠で、緑は見当たらない。


……!


足元に人工的な緑色のものが見えた。

俺は砂をかき、それがなんであるか確かめる。


……レジャーシート?


青、赤、緑、黄色、白の縞模様のレジャーシートが出てきた。



そのレジャーシートの下に隠れるように、ガラスの瓶が顔を出した。


俺は砂をかき分け、ガラス瓶を引っ張り出した。

ラベルにはwaterの文字。


俺はレジャーシートを折りたたみ、水の入ったガラス瓶を持って、子供たちの元に戻った。


レジャーシートを広げ、日陰を作り、子供たちを日差しから守ることに成功した。

そして順番に瓶の水を飲ませると、子供たちにようやく笑顔が戻った。


俺はほっとした。


……! 違う。これじゃダメだ。


瓶の水もほとんど残っていないし、熱さは体力を消耗する。


俺は子供たちから少し離れた場所で空を仰いだ。


「現状維持では解決しない。問題を打開するために、雷神よ、力を貸してほしい」


俺は人差し指を空に向けた。


「熱さを冷まし、恵の水を――熱界雷ねつかいらい


雲一つない、太陽のみが照り付けていた空に、巨大な積乱雲が急速に広がっていく。


俺は子供たちに声をかける。


「レジャーシートで雨を受け止める。四隅の端を持つんだ」


俺の声に子供たちはレジャーシートから飛び出した。


最後に出てきた子供が水の入ったガラス瓶を俺に渡した。

俺はガラス瓶を受け取り、足元の砂に突き刺した。


と同時に大きな雨粒がぼたぼたぼたと落ちてきた。


「雷の音にひるむな。この雨は俺たちの大切な飲み水になる」


俺はそう言って子供たちと一緒にレジャーシートをつかんだ。


「雨だ!」「気持ちいい」「お水飲み放題だ!」


子供たちが喜びの声を上げた。


その瞬間、足元の砂が崩れ、俺は砂の中に飲み込まれた。


この投稿を見つけ、お読みいただき、ありがとうございます。

第三の試練が始まります。

引き続きお楽しみください。

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