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完結●黒影  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中


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幽霊と黒い影の違い

翌朝、食堂に行くと、すでにひまり先輩が来ていて、阿曇先輩は食事を終えたようで、「じゃあまたな。頑張れよ」と言うと足早に帰ってしまった。


「おはようございます」


俺たちはひまり先輩が座るテーブルに朝食を持って着席した。


「おはようございます」


ひまり先輩は湯飲みを手に俺たちを見た。


「今日は木ノ花先生は来ません。代わりに私から今日のスケジュールをお伝えします。午前中、蓮くんは神降ろしのやりなおし、陽菜さんは私とヨガ、狭霧くんは道場に安藤教官が来るので刀剣の使い方を練習してください。午後は、陽菜さんは神探し、蓮くんと狭霧くんは私とヨガ、夕方から晩御飯までは神社の警備をしているリツコの指導の下、体力作りのトレーニングに励んでください。ただ、神事に参加する人は体調を鑑みて夕方からのトレーニングに参加してください。以上です」


「陽菜、良かったな! ついに神探し――」


陽菜は泣きそうな顔だった。


「どうしょう……、えにしのある神がいなかったら……」


昨日の阿曇先輩の言葉が残っている陽菜は、なかなか神探しができない、という心配から、神探しをしても縁のある神がいないかもしれない、という不安にシフトしてしまったようだ。


「陽菜さん、心配に及びません。縁のある神が見つからなかった人は結構います。阿曇、四尊、えま……。だから自分だけ見つからないと不安になる必要はありません」


ひまり先輩のアドバイス(?)はマイナスに作用したようで、陽菜は魂が抜けたような表情になっていた。


多分この話題から離れた方がいいだろうと思った俺は、例の件を聞いてみることにした。


阿曇先輩が既に聞いているかもしれないが、俺たちはまだひまり先輩の答えを知らないし。


「あの、ひまり先輩、悪霊と…」


「はい、その件ですが」


「え」


「どうも怜が防衛本部で起きたことをペラペラしゃべってしまったようですが、聞かなかったことにしてもらえますか?」


「……それはなぜですか?」


「表向きの理由は、新入隊員三名はもう十分怖い思いをしている。これ以上怖い思いをさせたくない。幸いにも三人がいない時に起きた出来事で、すでに黒い影の浄化も済んでいる。あえて話す必要はない、ということです」


ひまり先輩が「表向き」と前置きしているということは、本当は別の意図があると感じているのではないだろうか。


「なんで阿曇先輩は教えてくれたのかな……?」


陽菜が俺と狭霧を見た。


「……話の流れが自然にその話題に行ったから、口止めされていることを忘れてうっかり話しちゃったのかもな」


俺の言葉を聞いていたひまり先輩が「困ったものだ」というように眉間に皺を寄せた。


……あ、図星なんだ。


「ではひまり先輩、一般的な知識として質問をしてもいいですか?」


「……ええ、どうぞ」


狭霧の言葉にひまり先輩は頷いた。


「僕と蓮は、以前、廃墟にだん先輩と行ったときに、黒い影のようなものが見えていました。でも後から考えると、廃墟にいたのは幽霊でした。つまり、誰からも弔われることなく、黄泉の国に行くこともなく、さ迷っていた幽霊を見ました。正直、幽霊と黒い影、神の力の発現が中途半端なためか、違いが分かりませんでした。ひまり先輩が見ても幽霊と黒い影、違いは分からないですか?」


ひまり先輩は湯飲みのお茶を一口飲むと返事をした。


「調査のために、私も廃墟へ何度か訪れています。その時に幽霊も見ました。ただ見ただけでは、幽霊は黒い影と同じように見えました」


ひまり先輩は湯飲みを置くと、手を組み、そこに顎を乗せた。


「でも、戦闘時の、敵を分析するモードで幽霊を見ると、見えなくなります」


「え?」


思わず三人とも声が出てしまった。


この投稿を見つけ、お読みいただき、ありがとうございます。

ひまり先輩の言う、見えないとはいかに⁉

引き続きお楽しみください。

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