衝撃の事実
第三次討伐作戦に、鹿島……そう、鹿島建御という名が登場した‼
須虞那先生を投石で助け、自分の封印の桃の実を先生に託した人物だ。
確か鹿島建御は五歳児ぐらいに退行した。そして彼は第五期入隊。
俺は第十三期入隊で今、十五歳だ。
年齢の誤差を加味すれば、俺が成長した鹿島建御とするのに違和感はない。
……俺は子供に退行し、消息不明になっていた鹿島建御なのか⁉
疑問を持つこと、それこそ間違いだった。
なぜなら、俺と縁のある神が、俺を鹿島建御だと言っているのだ。
疑う必要はないし、疑う余地はなかった。
―どうやら自分が何者であるか、理解できてきたようだな。
「はい……。何も覚えてないので、良かったら、もう少し、あなたの記憶に残る鹿島建御を見せていただけませんか? そして差し出がましいお願いとなるのですが、黄泉の国の軍勢……黒い影に関して正しい知識をいただけませんか?」
―俺もそうしてやりたいのだが、鹿島建御に関する記憶は今のものしかない。
「え……、神降ろしをしたのではないのですか?」
―自分の力だけで俺を探し出した面白い奴だったから、神降ろしの儀式をやれば駆けつけてやるつもりだった。だが、鹿島建御が俺を呼ぶことはなかった。……呼ぶことができなかったんだな。
「つまり、第三次討伐作戦……黄泉の国の軍勢との戦いに赴き、黒い影に触れ、記憶を食べられてしまった。だから神降ろしの儀式もやれなかったのですね」
―さあ、それは俺は知らん。俺が言えることは鹿島建御は神降ろしの儀式を行わなかった、ということだけだ。言っておくが、人間の寿命は俺らから見たら、瞬きするより短いものだ。神探しで縁があったからと言って、その後に神降ろしの儀式がなかったとしても、詮索したり、相手の様子を見に行くとか、そんなことはしない。
「ではなぜ、俺が……わたくしが呼んだ時、来てくださったのですか?」
―神探しというのは、縁のある人間と俺の間にある細い糸に命が通う感じだ。
神探しをしていない時、糸はずっとそこにあったが、お互いに糸を認識せず、血は通っていない状態だった。だが神探しが行われることで、互いに糸の存在を認識し、血が通った状態になる。
さらに神降ろしとなると、人間がこの糸を軽くひっぱり、俺に助けを求め、権能を求める。
俺はそれが正しい行いのため、と思えればその糸をひっぱりかえす、すなわち応える。
鹿島建御と俺の間には血の通った糸が出来上がっていた。
だがそれは長らく使われず、放置されていた。
その糸が突然、ものすごい勢いで俺をひっぱり、助けを求めてきた。
俺は正直何が起きたか分からなかったが、それに答えることが正しい行いだと直感で分かった。
だから応えた。
しかもとんでもなく急を要しているようだったから、御託は並べず応じたわけだ。
「そうだったのですね……。あの時、助けていただき、本当に助かりました」
―当たり前だ。俺を誰だと思っている。俺の権能で倒せない敵はいない。なんで呼ばなかったんだ? 影なんかに食われやがって、お前は馬鹿だ。
そう言うと、俺と縁のある神はそっぽを向いた。
泣いている……?
まさか。さっき詮索したり、相手の様子を見に行くことはないと言っていたんだ。
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自分が何者であるか知ってしまった蓮。この後どうなるのでしょうか。
引き続きお楽しみください。




