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完結●黒影  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中


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神探し

―はあ、お前か。


! 聞こえた。


「あの、先日は急な呼びかけにも関わらず、お力をお貸しいただき、ありがとうございました。無事、窮地を脱することができました」


―のようだな。だからまたこうして俺に呼びかけることができたわけだ。で、なんだ。今回は改まって。


「はい。前回、俺…わたくしはあまりの窮地に神降ろしの正しい手順を踏まず、あなたを呼び出してしまいました。非礼をお詫びします。大変申し訳ありませんでした」


―……。おい、どうした? 前回と別人か?


「いえ、同一です。今回は正しい手順を……」


―お前、名前は?


「はい、わたくしは、黒雷蓮と申します」


―黒雷蓮……?


「はい」


―俺はそんな名前の奴と縁はない。


「え……」


―なぜ、嘘をつく。


「え????」


―ああ、なるほど。お前、影に食われたな。俺との記憶を持っていかれたんだな。


なんの話だ?


―世話のかかる奴だ。まだ目は発現していないんだな。


閉じていた俺の瞼に暖かい光が感じられた。


―目を開けてみろ。


俺は恐る恐る目を開けた。


ここはどこだ……⁉


さっきまで本殿にいたはずなのに、今はまるで雲の中にいるようだった。


―おい、こっちだ。


振り仰ぐとそこには声の主、俺と縁のある神がいた。


声から想像していたより若々しく、筋肉質なのに、顔は優雅だった。

黒髪は無造作に結ばれているが、それすら美しかった。

瞳の色は金色で猫のようだった。

服装は風神雷神図屏風で描かれているものと一緒だったが、顔や体つきはまったく違っていた。


―俺が見えているようだな。……俺に、見覚えはないか?


……神が見えている! 俺の神視覚がかなりの精度で発現した……!


―おい!


「あ、はい。聞こえています。見覚えがあるか、ですが、あなたのような方に出会っていたら忘れるはずがありません。でも残念ながら覚えていないので……」


―わかった。完全に食われたな。


「あの、さっきほどから食われた、と言われますが、どういうことでしょう」


―ふう。……お前さん、黄泉の国の軍勢と戦っただろう。記憶にないかもしれないが、戦ったんだよ。それで黒い影に食われた……えっとそっちでは生命力を奪われると考えているんだよな、確か。それでかなりの生命力を食われちまった。おそらく子供になるぐらいまで。だから俺のことも覚えていないんだ。


……!


―驚いて言葉が出ないか? 代わりに俺が言ってやるよ。お前は黒い影に生命力を奪われ、子供になるまで退行させられた。生命力を奪われるってことは、記憶を奪われるってことだ。その奪われた記憶の中に俺はいた。今、見せてやるよ。


周囲の雲が切れ、俺は夜空に浮いていた。と思ったらものすごい勢いで落下した。


墜落する。


そう思って目を閉じて開けると、本殿にいた。


なんだ、戻って来られた……


「僕の名前は鹿島かしま 建御たけみです」


えっ……?


声の方を見ると、俺と同じような装束をきたがたいのいい青年が、俺とえにしのある神と向き合っていた。


「呼びかけに応じて参った。どうやら、俺とお前さんは少なからず縁があるようだ」


―これは俺の記憶だ。そしてあれがお前だ。


……。鹿島建御って、誰だよ……


俺はもう一度その青年の姿を見た。


瞳の色は俺と同じだ。鼻の形や唇はどうだ? 似ているような気もするが、違う気もする。


―分からないか……。俺には魂の形が見えるから同じだとわかるんだが、器……外見での判断は難しいだろうな。髪型も体型も筋肉も、育った環境が違うから成長度合いが違っている。あえて言うなら耳の形は同じだが、わかりにくいだろうな。


耳の形……? 覚えているわけがない。端末で写真をとり、測定すればわかるかもしれないが……。何か、他にないのか……?


俺はそこで「声」を思いついた。


耳を澄まして、二人の会話を聞いた。


「ほう。お前は坊主や宮司、陰陽師の力を借りずに、俺を探し当てたのか?」


「はい。文献を見て。これから僕らが戦う相手には神の権能が必要であると感じまして……」


「面白い奴だ。このまま神降ろしまでやる気か?」


「いえ、今日はまだ。今日はあなたに会えただけで十分です」


「縁はつながったからな。神降ろしは問題なくできるはずだ」


声は似ている気がしたが、やはり言われた通り、成長の度合いが違うからか同じとは言い切れないし、自分ではやはり判定が難しい。


いや、待て。名前。名前、聞いたことがないか……?


鹿島建御……鹿島……



この投稿を見つけ、お読みいただき、ありがとうございます。

蓮に関するとんでもない情報が神によって明らかに。

どうなるのでしょうか。

次の更新は本日の夜21時に4話公開です。

また読みに来てください!


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