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完結●黒影  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中


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防犯カメラの映像

「僕はここです」


振り返ると、狭霧が、着物に袴のいつもの姿でそこにいた。


「あ、いらしたんですね」


芽衣さんはそう言うとにっこり笑い、他の巫女さんと並んで歩き出した。


すると端末が振動した。そこには


「アラート解除。黄泉の国の軍勢の消失を確認しました。

これより管轄を防衛本部から採掘本部 長清神社へ移し、

封鎖作業に入ります 以上」


というメッセージが送られてきていた。


メッセージが送られてきていなかった陽菜は狭霧に早速話しかけていた。


「狭霧、怪我とかない? 大丈夫だった?」


「うん。現場には春秋先輩と阿曇先輩がいて、監視塔からは洩矢先輩が来ていた。あと公休だった凪先輩も駆けつけて。あと…天津頭領が来たんだよね」


「うわぁ、すごい。それならもうすぐ撃退できちゃうね」


「うん。まあ。そう。僕は必要なかったかな」


「狭霧く~ん」


「あ、えま先輩」


狭霧は立ち止まり、その場で体を折ってえま先輩に謝った。


「本当に、勝手を言ってすみませんでした」


「もう、狭霧くん、ホント、無茶はダメだよー。で、天津頭領に怒られた?」


「いえ、心配されました。神降ろしができたとはいえ、まだ正式に任務に就く状態ではないのだから、無理はしないように、って」


「もー、天津頭領は甘いな~」


「あの、えま先輩は本部から怒られませんでしたか?」


「え、ぼく? ぼくは大丈夫だよ。本部も君たちがイレギュラーな存在だってもうわかっているみたいだから。なーんてね」


「ホント、すみませんでした」


「まあまあ。実は……」


そう言うとえま先輩は端末を操作し、映像を出した。


「これね、防犯カメラの映像。黒影の隊員は防犯カメラの映像を見ることができるんだ。それで狭霧くんが到着したであろう時刻の映像もこれで見られる」


「え、陽菜の端末でも見られますか?」


「無理、無理。これは初めての任務に就く時にアクセス権が付与されるから」


「でも俺と蓮の端末には防衛本部からのメッセージが……」


「そう、それ! それで狭霧くんは飛び出して行っちゃったこと、防衛本部はもう知っているから。いつまでもメッセージが届くと思うのは間違いだよ~」


えま先輩の言う通りだな。


「まあまあ、しょげないで。君たちだったらすぐに正式任務に就くことになるよ」


えま先輩はそう言ってから、映像のボタンを押した。


==防犯カメラの映像ココから


「今日の採掘作業はもう終わったはずなのに、どうして」


佐保先輩の緊迫した表情が映し出された。


「それが、新人の作業員がいたらしく、音楽を聴きながら作業をしていて、終了のチャイムの音を聞いてなかったようだ」


阿曇先輩だった。


「先輩の作業員はついていなかったのか?」


「それが『今日はもう終わりだぞ』って声をかけただけで、彼が作業を止め、帰るところまでみていなかったらしい」


佐保先輩が大きなため息をつく様子が肩の動きで伝わってきた。


「黄泉の国の軍勢が発生した第五十二坑道は閉鎖、第五十一、五十三~五十五、下層の四十一から四十五まで、すべて封鎖、作業員の退避を確認しました」


警備員の男性が佐保先輩に報告した。


「ありがとうございます。それではこれから二人で坑道へ入りますので、あなたも退避してください」


佐保先輩の言葉に警備員は頷き、画面から消えた。


続いて佐保先輩と阿曇先輩の姿も右手奥の坑道へと消えていった。


==防犯カメラの映像ココまで


「この防犯カメラの映像だとここまでだ。第五十二坑道の防犯カメラはこれだね」


誰もいない坑道の映像が数秒流れたが、すぐに右手奥から蠢く、黒く、暗い、深い、闇……黄泉の国の軍勢の姿が見えてきた。


この坑道は想像していた坑道よりも広く、トラック二台が並走できそうな広さだった。


その幅いっぱいに、坑道を埋め尽くすように、黄泉の国の軍勢が群がっていた。


黄泉の国の軍勢が前進するにつれ、画面が暗く、深い闇に落ちていった。


そこに佐保先輩と阿曇先輩が現れた。


==防犯カメラの映像ココから


「なんだ、この数は⁉」と佐保先輩。


「うわぁ、多い」と阿曇先輩。


「黄泉の国の入口が開いても、侵入してくる黒い影は数体だ。これは文字通り軍勢じゃないか」


佐保先輩はそう言うと「後退」と叫び、阿曇先輩と二人、画面から消えた。


==防犯カメラの映像ココまで


「すごい数だ。ぼくもこんな数、見たことないよ」


えま先輩は目を丸くしていた。俺と狭霧はただビックリし、陽菜は……黒い影の姿が見えず寂しそうな顔をしていた。


「皆さん、どうかしましたかー?」


すでに拝殿の敷地内にはいった芽衣さんが俺たちに呼びかけた。


「はい、今向かいます。先に中へ入っていただいて大丈夫です」


えま先輩が返事をして、端末をしまった。


「とりあえず拝殿へ行こう」


俺たちは小走りで拝殿へ向かった。


この投稿を見つけ、お読みいただき、ありがとうございます。

次回更新は明日の朝7時に3話、夜21時に4話公開します。

次の更新タイトルは「想像力で見る」です。

また読みに来てください!

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