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完結●黒影  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中


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防衛本部

なぜ俺たちは神社に戻ることになったのか。


狭霧は自力で神降ろしをしたが、それは縁のある神の協力もあり、正しい手順で行われた。一方の俺はと言うと……。何かも無視したやり方での神降ろしだったので、じっちゃま同席の元、神降ろしをやり直すことになった。


陽菜はというと、同期である狭霧と俺が先に神降ろしをしてしまったため、一人取り残される形となってしまった。そこで陽菜の神探しを急遽決行することになった。


狭霧はというと、自身の武器が縁のある神の御神体となったことで、神社でいろいろな手続きが発生することになった。それらの手続きを進めつつ、刀剣の扱いについて先輩黒影から習うことになった。


幸いなことに、神社には町の子供たちのために作られた道場があったのでそこで訓練することになった。


そしてこれが最大の理由だったが、敵の狙いが狭霧とわかった今、狭霧をもっとも安全な場所に移す必要があった。


防衛本部にも強固な結界がはられていたが、その術式はあの巨大蛇型の黒い影が突破したものだった。対して町の結界、そして神社の結界は、襲撃を経て新たにこれまでとは違う術式ではりなおされていた。


安全面からも町に、神社にいるのが妥当と判断されたのだ。


「まー、合宿みたいで楽しそうでいいじゃないですか!」


防衛本部に戻る俺たちに同行したえま先輩は、俺たちが支度をして神社に戻るまで護衛の任についていた。


「さあ、狭霧くんは医務室。二人は部屋へGO!」


俺たちはえま先輩に言われた通り、狭霧は検査を受け、陽菜と俺は大急ぎで必要なものをスーツケースに詰め込んだ。


「狭霧くんの準備が終わるまで、食堂でお茶でもしますか」


えま先輩の提案で俺たちはスーツケースをバンに置いてから、食堂へ向かった。


昨日のお昼まで何度も利用していた食堂だったが、今来てみると、とても懐かしく感じた。


陽菜は食べ収めと称して、パンケーキを二人分も注文していた。


俺とえま先輩は飲み物を購入し、席についた。


「えま先輩は俺たちを神社に送り届けたら任務終了ですか?」


「うん。君たちの護衛はだん先輩にうつるけど、ぼくは神社の防衛の任にそのまま就くよ。ちなみに今、神社の防衛の任にはだん先輩がついているから交代だね」


「……休みなしですね」


「え、今、こうして寛いでるし、大丈夫だよー」


そんなことを話していると、狭霧がやってきた。


「狭霧、検査はそんなに大変だったのか?」


狭霧はぐったりしていた。


「いや……医務室でリツコ先輩に見つかってしまって」


「あー」


俺たちは一斉に声をだしていた。


「でもリツコ先輩、よく狭霧くんだって分かりましたね」


えま先輩の言葉に、狭霧は椅子に腰を下ろしながら


「いえ、僕と分からず、話しかけてきたので、他人のふりをしてやり過ごそうとしたら、運悪く須虞那先生に名前を呼ばれてしまって……」


「あー」


「えー、狭霧、そんなにイケメンになっているの? 陽菜も早く神視覚を発現させてその姿を見たいよぉ」


陽菜はパンケーキを頬張り、むくれた。


「あ!」


「あ!」


突然の声にビックリして振り返ると、そこには奈美先輩と凪先輩がいた。


ほぼ金山の監視塔にはりつきの二人に食堂で会えるとは思わず、陽菜は目を輝かせていた。


「聞きましたよ、狭霧さん、神降ろしの上に神憑り(かみがかり )まで成し遂げるとは。すごいですね。そして……とても神々しいお姿ですね」


奈美先輩が眩しそうに狭霧を見た。


「本当に、素敵です……! ぼく、筋肉よりも狭霧さんのような美少年を目指そうかな……」


凪先輩が尊敬の眼差しで狭霧を見た。


「奈美先輩、凪先輩、お二人は今日、公休なんですか? 訓練の日以来ですね。お会いできて嬉しいです」


陽菜が立ち上がり、奈美先輩のそばへ行った。


「そう。今日は公休で一週間ぶりに防衛本部へ戻ってきました。でも私たちが監視塔に詰めている間に、町と防衛本部でいろいろあったようですね……」


「奈美先輩、防衛本部では何もないですよ!」


えま先輩が急に立ち上がった。


奈美先輩は一瞬驚いていたが、すぐにいつもの奈美先輩に戻った。


「ええ、そうでしたね。そうそう、陽菜さん、今日のわたくしの私服、どうかしら?」


「とっても素敵です。戦闘服が和なので、私服が洋なのはとてもいいと思いますし、このスカートの……」


奈美先輩と陽菜のファッション談義が始まったので、俺は凪先輩に声をかけた。


「金山の方は何事もなかったですか?」


「うん。大丈夫だったよ。蓮さんも神降ろししたんだね。しかも初めての神降ろしを短時間に成し遂げたって聞いたよ。すごいなぁ」


「いやあ、あれは……その火事場の馬鹿力みたいなものでして」


「お話し中、すみません。そろそろ私たち、神社へ向けて出発しないとです」


えま先輩に言われ、俺たちは奈美先輩、凪先輩に別れを告げ、バンへ向かった。

この投稿を見つけ、お読みいただき、ありがとうございます。

引き続きお楽しみください!

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