098 諦めない
初めて受けた魔龍の一撃は重たかった。
とても味方として登場してくれた魔法少女の一撃とは思えないくらい強く吹き飛ばされ、少し遺憾ではある。
でも……完全にピンチだったこの状況で世界最強クラスの魔法少女2人と、爆砕天が駆けつけたのは心強い。
「へぇ、強そうじゃんよ。なぁ、兄ちゃん」
「確かにどちらも魔力の質が高い。小さい方は魔力量も半端ではない。……ヴリッド、あの二匹には手を出すな」
「あっ! ずっりぃ! 兄ちゃんが独り占めする気かよ」
「残りはヴリッドにくれてやる」
納得していない様子のヴリッドだったけど、渋々受け入れたようだ。
……なんとなく黒天二柱のパワーバランスが見えた気がする。
「鎧武者が相手? どっちでもいいけど〜?」
「Japanese Samurai!」
イドラの方は2人に任せよう。簡単にやられる2人だとは思えないし、託しても大丈夫なはず。
私は……氷彗さんの後ろに立った。戦力としてどこまで助けになるかはわからないけど、最初から諦めるのは嫌だ。
必死に足掻いて、少しでも氷彗さんの助けになってやる!
歩いて近づいてくるヴリッドに、姉たちは少しの震えを隠せていない。
これまで深めてきた連携を一瞬で否定されたのだから無理もない。
震える手を、私がそっと握った。
「愛梨……」
「大丈夫です、氷彗さん。相手は一体。落ち着いてください」
そう、一体に震えるような姉ではないはずだ。
「……そうね。みんな、まだ心は折れていないわよね?」
「もちろん」
「当然☆」
「いける……いける!」
「へっ、俺はこっち側カナ? テメェはキャラ被ってるしヨォ」
爆砕天を加え、向こうは1人少なくなった。
勝利まであと……少し!




