097 集結する戦力
魔力を食べてしまった黒天二柱に驚きを隠せない様子の氷彗さんたち。
流れは完全に私たちにあったのに、一瞬でひっくり返されてしまった。
狼狽する氷彗さんたちを黙って見つめてあげるような敵ではなく、すぐさま攻勢に移ろうとした。
その時、黒天二柱の頭にトマトのような色をしたビームが襲いかかる!
「なんだぁ?」
「……くだらんな」
朱色の煙の奥には黒い鬼と鎧武者がいる。どうやらこの攻撃では有効打にならなかったみたい。
それでも氷彗さんたちが立ち直る時間は稼げた。いったい誰が……
「おいおい、楽しそうなことしてんナァ! 俺も混ぜろよ、魔法少女ヨォ」
「あなたは……!」
空でビームを発射したと思われるのは、白く、口しかない男。
黒天二柱とは対をなす存在、白天七柱の生き残り、爆砕天だ。
「おおっ! こりゃやべぇ圧をビリビリに感じるゼェ」
「うるせぇ野郎だな兄ちゃん」
「……お主ら、少しキャラが被っとるな」
よっと、なんて言いながら氷彗さんたちと黒天二柱の間に降り立った爆砕天。心なしか、前回見た時より笑っているようだ。
「お前らと戦うって時はヨォ、伊月のやろう俺のことを縛って置いていきやがったんだ。でも今回は……ようやく楽しめるってことだナァ!」
テンション高く戦えることに喜びを感じている爆砕天。戦いの何が彼を動かしているかはわからないけど、とりあえず味方になってくれるのなら結構心強い。
……今の黒天二柱は突然現れた爆砕天と、その奥にいる氷彗さんたちに興味津々のようだ。なら動くなら、今!
私は透明化したまま近づいて、『桜花一閃』を手のひらに準備した。そして気がつかれることなく、黒天二柱の後ろに回り込める。
「ゼロ距離、発射!」
「んん?」
「むっ?」
右手をヴリッドに、左手をイドラに当てて発動! これなら避けることすらできないはず!
全力で放った桜花一閃。
しかし、手のひらの先にはまだ確かな感触があった。
「うそ……無傷……?」
「んだよ、雑魚じゃねぇか」
「この星の戦士は小賢しい真似をするのだな」
イドラは大剣を握り、私の首を落とさんと、剣を振るった。
やられる……! そう思って目を瞑ると、脇腹に思いっきり何かがぶつかった。
「どいてなさい。邪魔」
「Hi! ゲンキ?」
吹き飛んだ先で目を開けると、知っている顔が2つ……いや3つ並んでいた。
「魔龍と……アビー・ワブレット!」
さらに伊月さんも一緒にいる。
「桜坂さん、今から始まるのはこの星をかけた戦争です。さぁ、総戦力で参ろうじゃないですか」




