095 shout out
「おーう、おう。こりゃ雁首揃えて強そうなのがウヨウヨいらぁ」
「ヴリッド、あまり疼くでない。ワシまでたぎるわ」
黒い柱の根本から出てきたのは黒い鬼のような生き物と、黒い鎧武者のような生き物。
ヴリッドと呼ばれた黒鬼は不敵に笑い、鎧武者は表情は読めないまでも昂っているのはわかる。
「イドラ兄ちゃんよぉ、すぐ終わらせるのはつまらねぇよな?」
「無論である。だが雑魚はこの場にはいらぬ」
鎧武者は大剣を召喚し、魔力を貯め始めた。その大きさは測れないけど、氷彗さんの表情からまずいということだけはわかる。
「総員、防御の魔法! ありったけで護りなさい!」
「選別だ。『黒楼魔:デスペラード』」
大剣が地面に突き刺さり、魔力が地を這って沸いて出てきた。
私も含め、魔法少女は全員防御の魔法で耐えようとしているけど、執拗なまでに長い攻撃に耐えられるものは少なく、次々と倒れていく少女たち。
そこかしこで少女の名を呼ぶ声が聞こえる。たぶん倒れてしまった魔法少女の身を案じての叫びだろう。
永久に続くかと思われたような攻撃。
なんとか耐え、ようやく目を開けられたと思ったら辺りは倒れた魔法少女のカーペットのようになっていた。
「……っ!」
流石にこれは恐怖心を植え付けられる。ここにいるのは私以外、全員クラス4以上のエリート。そう簡単に負けてはいけない、日本の魔法防衛の要たちだ。
その内のほとんどが、今は地に伏している。
「兄ちゃんやりすぎだって! めっちゃ倒れたじゃんよ!」
「む、むぅ……加減が……」
まるでおもちゃで遊んでいる時に壊れたことを咎めるような会話だ。
生物として、劣っているのは私たちなのだと一瞬で思わされる。
でもこの中で、諦めていない魔法少女がいた。
「全員……立っているわよね?」
「……もちろん。ここで倒れたら母国に帰れない」
「アタシだって……七海に顔向けできない!」
「快楽は苦難の先にあるから……」
「「「「こんなところで、負けない!!!」」」」
4人のクラス6が立ち上がり、叫んだ。
「ま、まだイキがいいのがいる。焦るなヴリッドよ」
「そーこなくっちゃねぇ」
戦いが始まりそうだ。
私は倒れたふりをしたままそっと呟く。
「『透過結界』」




