091 出番
姉妹の愛とは何か。
まったく答えが見つかることなく、私たちは時間を浪費していった。
もちろん訓練はしっかりと積んでいる。
茜さんも氷彗さんたちクラス6の軍団に混ざって訓練を始めた。
取り残された私は自主練を重ねるけど、そういえば私って出番があるのだろうか。
休憩時間になったので、そのことについて氷彗さんに尋ねてみることにした。
「あの〜……私って黒天二柱との戦いで出番ってありますか?」
「もちろん参加するしないは愛梨の自由だけど、私としては参加して欲しいと思ってる。何故だか知らないけど、愛梨がいれば勝率が上がる気がするのよね」
意外にも氷彗さんは私のことを戦力の一員として捉えてくれていたみたいだ。
氷彗さんはどこか難しい表情をしている。
まだ心に残っているのだろう。有馬皐月さんのことが。
すでに顔の腫れは引いたけど、心の傷はすぐに癒えるものではない。
「……伊月は何をしているのかしら。黒天二柱が来たことは気が付いているはず。でもここで動きがみえないのはなぜ?」
「一応伊月さんって道の通り方が違うだけで、目指すゴールは同じですもんね」
伊月さんは黒天二柱との戦いに備え、魔法少女を戦争という競争によって育てようとした。
対して私たちは卑弥呼さんや壱与さんの言葉を信じ、愛の力で乗り越えようとしている。
だから黒天二柱を倒すという目的では一致しているはずなのだ。なのに……
「姿を見せるどころか、アクションすら起こしてこない。何をするつもりなのやら」
「アビー・ワブレットも行方不明のまま。魔龍もだんまりでドイツも動きなし。動いたのはブラッディさんだけですもんね」
停滞しているのか、水面下で動いているのか。
今の私たちには知り得ないところ、そこが気になって仕方がない。




