087 腹を決める
有馬さんが亡くなった次の日。
氷彗さんは熱が引いたからと、悲しみを100%隠しきることができていないままルナミの幹部を集めた。
部屋に集うのは茜さんと夜伽さんとブラッディさん。クラス6が4人いて、クラス2の私にとっては肩身が狭い。
部屋に入ってきたクラス6の方々は、まだ腫れている氷彗さんの顔にどうしても関心が向いているようだった。
「あの〜……どしたん氷彗。愛梨と痴話喧嘩でもした?」
「……愛梨に殴られる隙を見せるほど、私は弱くないわ」
夜伽さんの茶化しにマジレスするほど余裕のない氷彗さん。
見た目以上にダメージを負っているのは間違いなかった。
「率直に事実を伝えるわ。エネミーたちの親玉、黒天二柱が動き出した。はっきり言って強すぎる。思念体ですらクラス6上位の魔法少女を一撃で沈められる力を持っているわ」
その言葉に、ここにいる全員が息を呑んだ。
ただ黒天二柱という単語を初めて耳にしたブラッディさんは手を挙げて質問の意思を示す。
「黒天二柱とは名の通り、白天七柱が黒くなって2人いると考えていい?」
「えぇ。その認識でいいわ」
「黒天二柱はいつ頃アタシたちのところに来るの?」
「1ヶ月。ただこれは黒天二柱側の発言だから、どこまで信用して良いのかわからないわ」
しばし部屋に無言の時間が流れた。
白天七柱ですら6人が協力して、私が初見では回避できないような技を使って辛くも勝利した。次もまた上手くいく保証なんてない。
「今こそ全世界の魔法少女の協力が必要。氷彗、何かアクションを起こすべき」
「そうね……ただ引き入れたい魔龍やアビー・ワブレットが簡単に協力するとも思えない。ドイツの魔女、イギリスの聖女だって引き入れたいけど……」
時間もかかるし、何より強い魔法少女は一癖も二癖もある。簡単に協力してくれるはずがないということだろう。
「なら腹は決めとかないとだね。基本的はルナ達で倒す。これで良いでしょ?」
「えぇ。……みんなについてきて欲しいところがあるわ」
「ん? どこどこ?」
「京都。壱与が眠るところよ」




