082 ミステリアス氷彗
目を覚まして、裸で寝ている氷彗さんを見て思った。
またやってしまった……と。
あんなに他人にトゲトゲしている氷彗さんも、私と一緒にベッドの上へ行けば猫になる。
はぁ、可愛いかよ。
とりあえず服を着て、氷彗さんを揺らして起こした。
ゆっくり目を開けて起き上がる姉の体は小さく揺れ、また私に官能的な本能を呼び起こさせようとしてくる。
「……おはよう、愛梨」
「お、おはようございます」
氷彗さんはゆっくりベッドから降りて、下着から身につけ始めた。
私はそれをただ見守り、数十秒後に着替えを終えた氷彗さんと朝ご飯を食べに行った。
今日は昨日と違って、平和な1日になるかもしれない。そう思った。
でも氷彗さんの顔は、私と2人だというのに曇りがかっているように見える。
「氷彗さん? 何か浮かない顔をされていますね……」
「……そう? まぁ……ちょっとね」
よくわからないけど、何か氷彗さんは感じ取っているものがあるらしい。
今日は氷彗さんからの招集メールは送られなかった。なので各自、好きなように1日を過ごすことになるはず。
皆さんはどうやって過ごすんだろうなぁ。夜伽さんだけは想像つくけど、他はわからないや。
氷彗さんは珍しく訓練室でなく、外出するみたい。私もついて行こうかと思ったけど、1人にさせて欲しいと言われたので無理は言えなかった。
スイーツでも食べに行くかと思ったけど、それなら私もついて行っていいはずだ。
ちょっと何をするのかわからないけど、それなら自分にはやることがあるかもと思って1人で訓練室へ向かった。
透過結界は可能性が無限大だ。もしかしたらあの戦法で、どんなエネミーにも打ち勝てるかもしれない。
私は訓練を続けながら、頭のどこかで姉のことを想い続けた。




