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073 鬼に金棒

「なんの騒ぎよ……本当になに?」

「なにって失礼ね! 金城桃羽(きんじょうももは)よ! 知らないの!?」

「微塵も興味ない上に礼儀もなっていないから好感度はマイナスね」


 突然現れた桃羽ちゃんに対し、氷彗さんは冷たすぎる言葉を投げかけまくった。

 桃羽ちゃんは魔法少女の広報隊長。クラスは4で、そこそこって感じだけどもそのルックスから知名度は抜群だった。

 そんな桃羽ちゃんはいま、氷彗さんの言葉で泣きそうになっている。なんなら半泣きだ。


「えっと……ごめんね。氷彗さん初対面の人が得意じゃなくて」

「そんなフォローはいらないわよ、愛梨」


 氷彗さんへのフォローじゃなくて桃羽ちゃんへのフォローです!!

 って叫びたくなったけど我慢した。本当にウチの姉は対人においてはどうしようもなく弱い生物だとしみじみ思った。


「ぐっ……とにかく、今すぐ広報活動を取りやめなさい!」

「それはできません。私たちの広報は魔法少女の未来がかかっているんです」

「わかっているわよ。桃羽だって広報の道4年。その道のプロなんだから!」


 ……ということは桃羽ちゃんって19は超えているんだ。

 一応プロフィールには「永遠の17歳」って書いてあったのに。まぁ活動時期的に嘘だとわかるけど、なんか現実が確定すると少しショック。


「ならなぜ私たちに広報をやめろと?」

「そ、それは……仕事がなくなるからよ。桃羽はクラス4だけど、エネミーを狩ったことがないの。広報の活動だけでここまできたし、そもそも魔法少女試験だって顔採用で受かったらしいし」


 えぇ……公務員試験なのに顔で採用したの? 大丈夫かなこの国。


「ならいいじゃない。魔法少女はあなたのいるべき場所じゃない。あるべき場所に帰るだけ。分相応ね」

「くっ……桃羽には親がいない! でも実の妹は2人もいる。2人を育てるためには広報を続けないといけないの!」

「甘ったれないでくれるかしら。汗水垂らして働きなさい」

「ちょ、ちょっと待ってください氷彗さん!」


 あまりに残酷すぎる物言いだったため、私は氷彗さんの言葉を遮った。

 氷彗さんは好きだけど、こういう人に対する当たりの強さや相手を慮る気持ちがないところは好きではないし、改善してほしいと思っている。

 だから私は今とっさに浮かんだアイデアを出すことにした。


「桃羽ちゃんを私たちのチームに引き入れるというのはどうでしょう? 桃羽ちゃんは魔法少女を続けられる、私たちは桃羽ちゃんの抱えている大勢のファンを一挙に獲得できる。一石二鳥じゃないですか?」

「クラス6の私たちにクラス4を入れると? しかもエネミーすら狩ったことのない……」

「広報においては関係ありません。桃羽ちゃん、どうですか?」

「も、桃羽は願ったり叶ったりだけど……」


 氷彗さんの方は不満げだ。ちなみに奥の夜伽さんと茜さんに目で確認したら2人は了承してくれるっぽい雰囲気。


「氷彗さん、ここは感情論でなく、現実に目を向けていきましょう。ここから先、頭打ちになる可能性だってあります。その時桃羽ちゃんの力があればきっと乗り越えられる場面だってあるはずです。エネミーを狩ったことがなくても、戦争を止められたらそれは立派な魔法少女じゃないですか?」

「……愛梨がそこまで言うならいいわ。好きになさい」


 氷彗さんは渋々ながら引き受けてくれた。

 これでまさに鬼に金棒。戦争を止めるためのパーツが揃った!

 世界平和へ、行きます!

金曜の更新はお休みさせていただきます。

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