072 広報隊長、特攻してくる
私たちの広報活動プロジェクトはついに本格始動した。
今日から名古屋はもちろん、関東・関西の駅にもポスターが貼られることになっている。
そのポスターにはいつも広報に載っている金城桃羽ちゃんではなく、氷彗さん・夜伽さん・茜さんの3人が掲載されていた。
ユニット名は『ルナミラクル』。なぜか夜伽さんが「私がリーダーじゃなきゃヤダ」とか駄々をこねたせいで、ルナという下の名前が冠になった。
結局ポスターにはセンターに夜伽さん、向かって右に茜さん、左に氷彗さんという配置になった。
まぁどこを見ても可愛いから、別にこの配置で問題はないんだけどね。
私はプロデューサーにでもなった気分で名古屋駅にてドヤ顔した。うんうん、可愛い!
通行人も何人かは写真を撮ってくれている。話題になっているところを見ると、クラス6が広報という方向性は間違っていなかったね。
魔法少女センターの寮に帰ると、氷彗さんは部屋に閉じこもっていた。
「……ど、どうしたんですか?」
「もう外なんか歩けないわよ。私の顔が全国に広まっているのよ?」
「あー……でもいい意味ですよ。みんな可愛いって言ってましたし」
「それは私のことじゃない! 夜伽ルナや羽田茜のことを褒めているんだわ」
……なんだろう、ここまでの美貌を持つ氷彗さんが無駄に顔についてだけ自信がないと、一周回ってむかっとくる。
「おっは〜☆ 朝からチヤホヤされて最高だね」
夜伽さんは元気よく扉を開けて部屋に入ってきた。そのメンタルを氷彗さんに分けてあげてほしい。
次にコンコンコンとドアがノックされた。茜さんかな? と思ってドアを開ける。
……あれ? 茜さん縮んだ? と思った。だっていつも目があるところに、今日はおでこがあるし。
「愛梨? その子だれ?」
と思ったら廊下からちょうど茜さんが登場した。えっ!? じゃあ本当にこの子だれ? って思って顔を確認したら、なんだか怒っているようだ。
ふわふわ髪とロリロリしい顔立ち。ぷっくりとした唇。この顔……知ってる!
「金城桃羽ちゃん!?」
そう、氷彗さんたちのプロジェクトが動くまでずっと広報隊長を勤めていた金城桃羽ちゃんです。
「えっと……何かご用でしょうか?」
「……桃羽から仕事を奪ったの、あなた?」
「え? 奪ったわけでは……」
「やっぱりあなたね! 愛知で広報が始まるって聞いて、『なんだそんなことか』と思っていたら突然わたしの仕事がなくなるんだもん! なんなの一体! どんな魔法を使ったの!?」
なんかちょっとややこしい展開になり始めているような気がする。直感がそう告げてくれました。




