069 突拍子もない……
戦争を一時止めたこと、有馬さんや宝塚菊さん、安田優さんも救えたこと。
私たちルナミとしての活動は、まずまずの滑り出しです。
「そう。やっぱり私たちが出ている間にエネミーが出現したのね」
「そうそう。私と茜でなんとかしたけどさ〜」
「まぁ弱かったし、アタシたちじゃなくてクラス5の子たちに任せても大丈夫だったと思うけど」
氷彗さんの懸念していた通り、私と氷彗さんが愛知を離れた瞬間にエネミーが湧いてきたらしい。
夜伽そんと茜さんを置いていってよかった。2人の力の一部を氷彗さんに預けて、私と氷彗さんの2人だけで飛んでいく作戦は成功だったね。
「気になるのはアビー・ワブレットね。愛梨は海で見つけられなかったのよね?」
「はい。ゾディアックの子たちが言うにはアビーさんも海に落ちたらしいんですけど……」
ただアビーさんだけは本当に見当たらなかったし、というかそもそも魔龍が強いからって一撃で負けたりするのだろうか。なんかその辺が引っかかる……。
「クラス6が一撃で負けるとか有り得なくない? しかもアメリカの魔法少女って1人しか選ばれないんでしょ? それってさ〜」
「どう考えても負けたふりをしていた、だよね」
油断させておいて倒しちゃえ! ってやつなのかな。
クラス6の皆さんの見解としては、普通にアビーさんが負けるとは考えにくい、だった。
「これからどうする〜? 戦争は一旦止められたでしょ? また次の口実を作ろうとしてくるはずだよ」
「もちろんわかっているわ。正直言って、これからどうするかは難しいところよ。誰か頼れる年上でもいればいいのだけれど」
「お? 私ら21と22だゾ☆?」
「あらそう。じゃあ大人なんてろくでもないのね」
「表でろコラ☆」
「はいはいストップストップ」
氷彗さんと夜伽さんの一触即発ムードを茜さんが宥めてくれた。
頼れる大人か……工藤大臣が生きていたらなぁ。なんて思ってしまう。
「愛梨、何かいい案はないかしら。これから戦争を起こすきっかけすら与えないような、何かを」
「そ、そうですね……」
かなり難しいバトンが渡された。
戦争のきっかけすら与えないこと、かぁ。そもそもなんで戦争を始めてしまうかというと、伊月さんが大臣だから。……あれ? じゃあこれって政権を変えればどうにかなったりする?
私は長考の末、とあるアイデアが浮かんだ。これを言って、氷彗さんが首を縦に振るとは思えないけど、とにかく言葉にはしてみる。
「あの……やってみませんか? 御三方で、アイドル」
「………………………………………は?」
当然と言うべき反応が返ってきたのでした。




