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姉妹契約で結ばれた魔法少女たちは特別な感情を抱いてしまうかもしれませんよ  作者: 三色ライト
5章 戦争編

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66/102

066 震源地

 昔から馬鹿らしいと思っていた。

 ○○はウチの領土

 いや、○○はウチ固有の領土だ。


 馬鹿らしい。

 その土地に本来所有なんてない。その島はこの大地のものであって、唾を飛ばす汚いジジイのものではない。

 なのにあたかも自分は神にでもなったかのように、島の、大地の所有を主張する。


 実に馬鹿らしいと思っていた。

 だから思っていたよりも冷酷に仕事に移れたのかもしれない。

 領土争いが起こる島に黒い火を放ち、他国の建物を破壊した。


「Good job サツキ」

「……そりゃどーも」


 本陣と命名された土地に戻り、同盟国の最強少女から賛辞を受けた。

 同僚の宝塚菊と安田優からお茶を受け取り、数口を胃へ流す。

 もちろんこんなにまったりとした時間が長く続くはずもない。


 何せ相手は常に戦争に備えているようなところだ。すぐにでも報復の一手を打ってくるだろう。


「来ないんじゃね?」

「来るよ〜きっと」


 せっかちな菊とおっとりした優により議論が形成されている。来るか来ないかの対象は……最強の魔法少女候補、魔龍(マーロン)だ。


「……キタ」

「え?」


 アビーが目を細め、西の空を見つめた。

 私には何も見えないけど、アビーには何かが見えているのだろうか。


「Everyone! Use defensive magic within 10 seconds (全員10秒以内に防御の魔法を使いなさい!)」

「え? は?」

「Hurry up! (早くして!)」


 突然命じられた通り、全員で防御の魔法を発動した。

 その数秒後、本当に魔力の波動攻撃に襲われて体が吹き飛びそうだった。


「なんだよコレェ!」

「純粋に魔力を飛ばしているだけ〜。でもこの威力って〜」

「化け物……」

「Beyond imagination. interesting(想像以上ね。面白い)」


 アビーはニヤッとして、西の空へと飛んでいった。

 アビーはアビーで早すぎて目に負えない。化け物は化け物に任せた方が良さそうだ。

 するとインカムから声が流れてきた。


『何をしているんですか? アビーさんを追ってください』

「でもこんなパワーの戦闘……」

『勘違いしないでください。この戦争は勝ち負けなんてどうでもいいんですよ。まぁ政治家の先生たちにとってはそうでもないでしょうが、少なくとも我々にはどうだっていいことです。私たちがするべきことは……』


 より強い魔法少女と命の奪い合いをして、経験を積み、強くなること。

 耳にタコができるくらいに聞かされた言葉だけど、実際に命のやり取りをするには不安が過ぎる。

 でも……


「やるよ、菊、優」

「本気かぁ!? 死ぬってこれ。見えないほどの距離からあのレベルの魔力波を撃ってくるんだぞ!?」

「アーさんに任せた方が〜」

「だめ。私たちは強くなる。そうでしょう?」


 私は鞄から注射器を取り出した。それも2本。


「それに私は死なない。だって……」


 私はそれを首元に打ち、勢いよく引き抜いた。


「私はまだ、あの人に復讐できていないからぁぁぁぁぁ!!!!」


 炎のブーストを利用して空を飛ぶ。アビーに追いつける気はしないけど、戦闘が始まったらすぐに駆けつけられるはずだ。


 2人がついてくるか不安だったけど、なんだかんだ2本撃ってついてきてくれた。

 ちなみに私の体感だけど、1本打てばクラス5相当に、2本打てばクラス6の下位になら太刀打ちできるレベルにかる。

 3本打てばきっと……と思っているけど、1本打つだけで気分がハイになるこの注射を3本も打てばどうなるか、想像に容易い。

 私は私で歯痒いところで戦っているのだ。


 ふと先の方で巨大な龍と、巨大な竜巻がぶつかったのが見えた。

 ……始まったんだ。史上初の魔法少女による戦争が。


 私は鞄の中に3本目があることを確認して、飛翔を続けた。

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