050 姉妹対決-Reloaded-1
卑弥呼さんと壱与さんのお墓を出るともう外は真っ暗だった。
外へ出た瞬間、氷彗さんが叫ぶ。
「誰! 出てきなさい!」
「えっ?」
なぜ氷彗さんが叫んだのか理解できなかった私は困惑した。でも闇夜からスッと人が出てきた時、やっぱり氷彗さんってすごいんだって確信できた。
「すごいですね。私も隠れることには長けているつもりでしたが」
出てきたのは闇夜に飲まれるほど黒い髪を持つ有馬皐月さん。氷彗さんの元妹で、私たちと敵対する伊月さんが支持を表明したゾディアックっていう団体に所属する民間の魔法少女だ。
「見くびらないで欲しいわね。あなた程度ならすぐに見抜けるわ」
「ふふ、さすがですね山吹さん」
「それで、なぜここにいるのか教えてもらえるかしら」
氷彗さんの背面を見るとすでにマギア・ムーンに手をかけていた。
ここで何かしらの戦闘が起こる。そんな気がしてハラハラする。
「それはこちらのセリフですね。一体どうやってここへ辿り着いたのか」
「それこそこちらのセリフよ。なぜあなたがここにいるのかしら?」
「いつまで話しても」
「平行線のようね」
「「変身」」
ついにお互いに変身してしまった。
氷彗さんは見慣れたけどまだまだ美しいという感想を抱くパーティドレスの姿に。
そして有馬さんは黒い、漆黒のウェディングドレスのような衣装に包まれた。
「禍々しいわね。それがあなたの魔法少女としての姿ね」
「えぇ。山吹さんには見せられなかったのが残念です。私の初変身をね」
「あら。ずいぶん素敵な皮肉を言えるようになったじゃない」
激しい舌戦が繰り広げられている。
もうすぐにでも戦いが始まりそうな雰囲気だ。でもここは市街地。もし戦えば街への被害も出てしまうけどどうするつもりなんだろう。
「愛梨、あなたでは有馬皐月の相手は不可能よ。変身して、私の撃ち漏らしや有馬皐月の撃ち漏らしを撃ち落としなさい」
「わ、わかりました!」
私も変身を命じられ、袴に身を包んだ。
有馬さんは私の一つ上のはず。だから歴で言えば氷彗さんの方が圧倒的に優位のはずだし、そもそもクラス6の氷彗さんに単騎で挑むなんて無茶にも程がある。
でも氷彗さんは私では戦えないと判断した。もしかして有馬さんの実力って……
「さぁ、始めましょうか山吹さん。ずっとずっと、あなたを倒したいと思っていましたよ」
「無礼な物言いね。あなたが私を倒せる可能性なんて0に等しいわよ」
スゥーと上へ上昇していく2人。
私もちゃんと撃ち漏らしを落とせるように上昇し、サポートする体制になった。
「では、始めますね。『ブラック・ウェディング』」
黒色のタキシードを着て、刀を持ったゾンビみたいな人間が何人も有馬さんの魔力から生えてきた。
これじゃあ1vs1から1vs多に持ってかれちゃう! 凄まじい魔法だけど大丈夫かな……
「……『氷雪兵』」
氷彗さんはその様子を見て、氷で兵団を作り上げてしまった。
うん、私は何も心配する必要はないね。だって氷彗さんは強いから。信じています。妹として、あなたのこと。それが私にとって、親愛の形になると信じているから!




